お母さん的役割のカウンセリングとお父さん的役割のコーチング
比較的、落ち着いていた40代の頃、カウンセリングではなく、コーチングを受けていました。
カウンセリングは、ただただ聞いて貰って、受けて入れてもらう安心感を感じることが、メインな気がします。
例えば、小さな子供が公園で遊んでいて、転んでしまった時、痛くてお母さんのところに泣いて駆け寄ります。
お母さんに抱きしめて貰うことで、安心して、また遊びに行けるようになる。
この、抱きしめるお母さんの存在なんだと思うんです。
コーチングは、もう少し厳しいイメージです。
前に進むこと、成長することをメインにしていると思います。
軍隊の鬼軍曹のような、愛が基盤にあるけれど、泣き言は受け入れないような。
エネルギーが無くなってる時は、弱音もすべて受け止めて貰えるカウンセリングがベストです。
コーチングだと、人によっては、逆効果になるかも…と、実は私の経験です。
でも、エネルギーが蓄えられてきたら、コーチングをお勧めします。
目標をつくり、そこまでサポートをしてもらうことは、成長につながります。
見える景色も変わってくると思います。

不安におとしいれるグレムリンの存在
「不安障害とは」の記事にも書きましたが、不安障害に陥ってるときは、魚が焼いただけでも反応してしまう火災警報器の状態です。
本来の火災も検知してくれるので警報器は機能しているけど、センサーの調整が必要なんです。
不安の感情は、生きる上で必要なものだけど、やたらと反応していては、体がもたない。
不安症の人には、幼少期に身近に批判的な人、世間体を気にする人、否定的な人がいた場合が多いのですが、その人と離れても影響されていることが多いです。
自分が、楽しもうとした時、自分の意見を通そうとした時、戒める声が聞こえてきます。
私の受けたコーチングは、その声を「グレムリン」と名付けて、どんな声が聞こえたのか記録をし、グレムリンに振り回されないようにしていくトレーニングをしました。
コーチング用語としての「グレムリン」は
「変化を忌み嫌い、現状維持を求める内なる声」と定義されています。
「こんなことをして何になる」「どうせ失敗する」「お前には無理」「そんなことをしたら嫌われる」などなど。
人の脳は変化を嫌うというので、脳に住むついているのかな…(これは、私見です)
そのグレムリンを、うまく説明し、手なづける方法が書かれた本に、
「あなたの中のグレムリンを捜せ、こころの怪物をてなづける方法」があります。
著者は精神療法家のリチャード・D・カーソンです。
( 「小さいことにくよくよするな! 」のリチャードカールソン氏とは別人です)
この本、内容は興味深いのだけど絵本?と思うほどイラスト豊富で、そのイラストが外国特有のシュールな絵で、ちょっと怖いです。
1994年に出版された本で、新品ではなかなか手に入らないようですが、中古では、少し出回ってるようです。

「あなたの中のグレムリンを捜せ」の要約
グレムリンの存在
グレムリンについて意識したことがなくても、何となくその存在に気が付いているのではないでしょうか。
あなたの中のグレムリンを捜せより引用
グレムリンはあなたの心の内の語り手です。
あなたが生まれた時からグレムリンはあなたに影響を及ぼし、朝起きてから夜寝るまでずっとまとわりついています。
あなたが何者で、どの程度の人間かをささやきかけ、経験するすべてのことを想定してこうだと決めつけます。
さらにそうやって決めつけた解釈を本物だと信じ込ませたがります。
グレムリンの目的は、躍動感あふれる本当のあなたを内側から押しつぶすことなのです。
あなたのグレムリンがどうして今のようになったのか、私にはわかりません。
しかし、あなたのグレムリンが(少なくともその一部は)あなたの過去の経験から生まれてきたことに間違いはないでしょう。
グレムリンは、かなり賢くて、巧妙に騙しにかかるそうです。
なので、真っ向からやりあうのではなく、手なづける方がいいみたいです。
副題にもなっている「グレムリンを手なづける方法」には下記の3つの段階があります。
ただ気づくこと(=意識の力)とは
最初の最も大切な段階は、ただ気づくこと。
自分がどんな状況にあるのか気づくことが大事で、何故自分がそのような状態であるかは重要ではなく、考える必要もない。
何故なら、考えることは、グレムリンの望むところであり混乱を招くことになる。
グレムリンの作り話
あなたを惑わすグレムリンが吹聴する作り話の例
あなたのグレムリンにただ気づくようになるにつれ、幸福感を台無しにするこうした作り話にも気が付くようになってきます。
グレムリンがあなたを罠にはめ、生きていくために作らせる2つの習慣
感情に対する習慣
4つの基本的感情
・怒り
・悲しみ
・喜び
・性的な感情
感情は思考と違い、肉体的な反応に近い。
感情が呼び起こされたとき、過去に築かれた信念に基づいた習慣的な反応をとることになる。
例えば、怒りは有害で表に出すのは悪いことと過去の経験から学んだり、
人に言われたりしてると、怒りを阻むような習慣的反応をとる。
悲しさを弱さと同一視したり、セックスを罪、喜びを未熟と同一視する場合は、
表に出さない反応が習慣となっている。
【怒り】
過去に築かれた怒りに対する信念に気づくための質問
- 他人に対して本当の怒りを覚えたのはどんな時?
- その時、私は( )することを選んだ。
- その時のことを思い出して今感じることは?
- まったく制限なしに怒りを体と声で表現していたとしたら私は?
- 今までに私が見たもっとも激怒している人は?
- その人が、そんなに怒っているのを見て、私が感じたことは?
- 母は、怒るとよく( )した。
- 父は、怒るとよく( )した。
- 私が怒りという言葉から自然に思い浮かべるのは?(当てはまるものすべて選ぶ)
力 良い 悪い 生産的 男らしさ 苦痛 活気 興奮 暗さ 創造性 害 - あなた自身が思い浮かべることは?
自分の怒りの反応に対する考え方や習慣に気づいたら、書き留めておき、それが今のあなたにとってどの程度重要なものであるか考えてみる。
【喜び】
喜びを馬鹿馬鹿しさや無責任さ、未熟さ、自制心のなさと混同しないようにする。
【悲しみ】
本当に悲しい思いを経験すると活気付く。
涙と十分な呼吸をもたらす悲しみはたっぷりとした豊かな感情。
憂鬱はグレムリンによって、「お前のそんな感情は受け入れられないぞ」と思い込まされ
悲しみや怒りを抑えた結果、生じるもの。
感情を十分に感じられれば、次には別の新しい感情に移ることが出来る。
他人に対する習慣
特定の性格の人にどんな風に対するか、習慣が出来上がっている。他人の性格を決めつけたり型にはめるのは、嫌なことだけど、不幸なことにグレムリンは、大好き。
過去に経験に基づいた習慣は、良くも悪くもありません。
あなたの中のグレムリンを捜せより引用
過去のある時点で良いと思い、習い覚えた習慣は、いまに生かすことことができるかも知れないし、もうすたれてしまって、役に立たなくなってるかもしれません。
大人としてのあなたの世界は、子供のころ、あるいは数年前のあなたの世界とすっかり様変わりをしているのです。
習慣で行動すると、同じ人生のドラマを何度も演じることになります。
登場人物や舞台が変わっても結果はほとんど同じです。
あなたのグレムリンは、(時にとても巧妙に)習慣に従うことがあなたのためだと口説くでしょう。
でも、気づいてください!
あるパターンを繰り返す道を選んだら、げんなりし、飽き飽きし、欲求不満に陥り、最後は落ち込んで空しくなるだけだということを…。
グレムリンはこの空しさが好きなのです。
楽しめないときには空しさを感じるものです。
【恐れ】
習慣は恐れによって確固とした形になる。
恐れは、グレムリンの第一の武器。
子供の時に怒りや不満をあらわにして親から叱られたとしたら「幸福を装う仮面」をかぶるのは当然。
だけど、今も必要だろうか。
本当に楽しく生きている人は、いつも微笑んでいなければならないとは思わないもの。
習慣化されてしまっている信念を見つける

- 愛情表現
- 抱きしめたり、キスをしたりといった肉体的なふれあい
- 人に肉体的な苦痛をもたらすもの
- 家族はどのようにして物事をきめるか
- 悲しさの表現
- 喜びの表現
- 信頼
- 正直さ
- 男はどうあるべきか
- 女はどうあるべきか
- あなたはどのくらい賢いか
- あなたはリーダーとしてどんな能力があるか
- あなたの運動神経は
- あなたの創造力は
- あなたがどの程度愛すべき存在か
- あなたがどの程度好ましい存在か
- あなたがどの程度セクシーな存在か

自由に選ぶこと、そして選ぶことで遊ぶこと
恐れの向こうには高揚感!?
変化しようとすることは怖いもの。
自分の感情やまわりの環境に対する習慣的な反応の仕方を変えた時、バラを手にするか、腐ったトマトを掴むかわからないから。
恐れの向こうには、おそらく高揚感がある。
その高揚感を楽しみ、習慣的な反応をやめて、何が起こるかわからないことさえ楽しむことが出来れば、グレムリンをてなづける過程は割とスムースにすすむ。
過程を楽しむのはグレムリンをてなづけるには不可欠。
自由に選べる状態
グレムリンを手なづける為に非常に大切なことは状況に応じてその都度選べる状態にいること。
自分の中の感情を認め、その感情を表現しない限りその感情は去らない。
同様に感じたことのすべてをあえて外に出す必要もない。
自分の感情とそれが体に与える影響について注意深く見守っていくうちに感情の中には恐れるものなど何ひとつないことに気づけるようになる。
あなたの感情を恐れているのは、グレムリンだけ!
幸福感を感じるには
強い感情を抱いているときは、リラックスしてその感情を感じることにじっくり時間をかける。
ほどよく呼吸し、感じていることを楽しむこと。
その感情に対して、何もする必要もないし、その感情には危険がないと自分に言い聞かせる。
そうすれば、ゆったりとした活力を感じることができる。
この感覚は、自己実現した状態、幸福、愛すること、中心にいること、自己評価の高さ、徳、安らぎのこと。
表現の選択肢
ある感情を表に出そうと決めたら、自分が良い気分になれて、自分が望む何かを周りから得られるような選択をすべき。
過去の恐れからではなく、自分の望むものであることを明らかにする。
グレムリンの8つの戦略

【1】「お前には出来ない」
・出来ないの部分を「しないことにしよう」「そうしよう」「そうすることにする」「そうしないことにする」に置き換えてもう一度いう。
・「今まで」という言葉をつける。
私は自分が感じたことを彼に話すことが出来ない。
↓
私は自分が感じたことを彼に話さないという選択をした。
↓
今まで私は、自分が感じたことを彼に話さないという選択をしてきた。
↓
今や私は、自分が感じたことを彼に話すという選択をする。
自由に選んで良いと思うことが大事で、自分の選択に責任を持つ。
【2】「すべきだ」「した方がよい」「しなければならない」
・「するのを選ぶ」「しないのを選ぶ」に置き換える。
・グレムリンとたたかわない。
【3】「必要だ」
・「求める」という言葉に置き換える。
・必要だと感じるものの多くは求めているもの。
【4】「お前はそれに値しない」
・あなたが選択して求めているなら、それが何であれ、それを求めることには価値がある。
・ただし、選択の自由には責任が伴う。
【5】「(恐れからくる)空想は現実」
・「想像する」という言葉を使う。
「上司は私の提案を却下するだろう」と感じたら
↓
「上司は私の提案を却下すると、私は想像する」
・下の( )を埋めて、何を恐れているのか探る
もし私が (①あなたが恐れるような行動)したら、
私は(②結果)と、想像する。
もし(②に対する反応を書き込む)したら、
私は(③結果)と想像する。
もし(③に対する反応を書き込む)したら、
私は(④結果)と想像する。
【6】「私が楽しくなるには、まわりが変わらなければならない」
・気分がよくなり楽しく過ごせることが、最終目的であることを思い出す。
・正しくあろうとして対立するより、自分自身に正直でいること。
【7】「言葉を濁す」
・言葉を濁していたら望むものも手に入らない。
・自分の欲求や考え、感情に気づき、それをはっきりと、正確に言葉であらわす。
【8】「恐怖を与えて脅かす」
・不安感を煽る。
グレムリンを手なづける過程の中にいる
グレムリンを手なづけることは、常に現在進行形の冒険であり、終わりがない。
その冒険を意識的に選ぶことは、人生を楽しく過ごすうえで、極めて重要。
幸福とは、実体のないもので、空しさと同様、いつでも手の届く心の状態のこと。
あらゆる瞬間に幸福感を味わう可能性も秘められていれば、みじめさを味わう可能性も秘めている。
何を選択するかは、自分の手中にあることを忘れない。

おわりに
昔、受けていたカウンセリングで、「感情が込み上げてきたときは放っておくのよ」とよく言われました。
当時、予期不安が強くて、常に不安でした。
なので、感情といっても、ほとんど不安でしたが、とにかく放っておけと言われてました。
カウンセリング最終日に「放っておくことは、受け入れるってことなのよ」と、教えてくれました。
それと、あまりにも余裕がなくて、最終的に落ち着くのは呼吸だなと実感したのですが、
この記事を書いてたら、それらのことを思い出しました。
あらがうことは、無駄にエネルギーを消費するだけなのかもしれません。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
あなたの中のグレムリンを見つけることができ、うまく手なづけられることを祈っています。