不安を軽減、心を満たすストロークライフを送る方法

壺にたくさんのハート「こころを満たす方法」 愛着・AC
スポンサーリンク

快適な人間関係を築くストロークライフのすすめ 刀根 健・著

ストロークとディスカウント

まずは、重複になってしまうのですが、この本の中で定義されているストロークとは何か。

相手(あるいは自分)の存在・価値・行動を認めているということを伝える何らかの行動や働きかけのこと。 つまり「認めているよ」ということを伝えるすべての言動や行動。
「おはよう」「よくやったね」「すごいね」「どうしたの、大丈夫?」など。

肯定的ストロークと否定的ストローク

  1. 肯定的ストローク
     肯定的ストロークとは文字通り、肯定的に認めてるよと伝えること。
  2. 否定的ストローク
     否定的ストロークとは相手の存在・価値・行動を認めているのですがその一部について停止や修正あるいは指示を行うこと。 「信号が赤の時は渡ってはいけません」「その箸の持ち方はおかしい、こう持ちなさい」など。
    注意、叱責など、否定的ストロークをもらった側の人はネガティブな気持ちになります。 このネガティブな気持ちになるという側面を捉えて、否定的ストロークと呼びます。

     ここで一番大切で間違ってはいけないことは、 ストロークを与える側が、相手の存在・価値・行動を認めているというスタンスからずれていないことです。

ディスカウントとは

ディスカウントとは相手あるいは自分の存在・価値・行為について、値引きすることです。
つまり相手(あるいは自分)について、馬鹿にしたり軽く見たり無視したり否定したり排除したりする心のメカニズムとそれが表面化した言動すべてのことをいいます。

本当は一人の人間として100の価値があるはずなのに「お前は2割引の価値しかない人間だ」あるいは「お前なんかに価値はない。とっとと荷物をまとめて出て行け」など。

他人から言われて”グサッ”と刺さって、取れなかったトゲのようにいつまでもチクチクしている言葉、言われるとなんだかとっても無力感に襲われて、自分がすごくちっぽけな存在に感じてしまった言葉、それらがディスカウントです。

以上の肯定的ストローク、否定的ストローク、ディスカウントを図にまとめてみました。

Minori
Minori

 否定的ストロークとディスカウントの違いがわかりにくいのですが、否定的ストロークは、あくまでも相手のことを認めているということです。
 ただ、自分はストロークだと思っていても、相手の受け取り方のずれにより、ディスカウントになってしまうこともあるそう…難しい

相手をディスカウントする人はこんな人

  1. 自信を失いかけている時、「だから君はダメなんだよ」「どうせ君にはできないから」と更に自信を失うようなことを言って傷つける人

  2. 一生懸命していることをバカにし、否定するようなことを言う人

  3. 失敗したり困っている時に鬼の首を取ったように、「一体何をやってるんだ」「そんなことをしているから、いつもうまくいかないんだよ」「〇〇さんは簡単に 出来たよ」と否定し傷つける人

このように一緒にいると不安、恐れ、無力感、圧倒される感じ、逃げ出したい、または反発、攻撃心などを感じ、次のような散々な気持ちになってしまいます。

・ 一緒にいたくない
・安心できない
・いつ責められるか不安でしょうがない
・自信がなくなる
・自分はちっぽけだと思ってしまう
・胸の真ん中にぽっかりと穴があく
・鋭く、えぐり取られてズキズキする

このディスカウントの恐ろしいところは、自分に対してもしてしまうことです。

・私はダメだ
・どうせ、やってもうまくいかない
・失敗するに決まっている
・きっと嫌われるに違いない
・私なんか可愛くない
・私に出来るはずない

上記のような自分の能力や可能性、価値のディスカウントは自分の毒になります。
知らない間に自分で毒を飲んでしまっている状態です。
毒を飲み続けると、どんどん不健康になり、やがて元気がなくなり、魅力的でなくなり、仕事もこなせなくなり、行き着く先は無気力あるいは死です。

自分が、傷つけられたり、ぶち壊されてしまうような不安や脅威にさらされると、自己防衛のために、危険を見たり、感じたりしないですむようような行動をとるそうです。
身を丸めて小さくなったり、逃げたり、ごまかしたり、相手を攻撃、排除しようとしたり、あたかも何も感じていないかのような振りをするそうです。
これらの問題行動もディスカウントのひとつです。

心のなかにあるストロークの壺をカラカラにしない

人は誰もがこころの中に“ストロークの壺“を持っているそうです。
この壺に自分や、他人からストロークを受け取り、ためることにより、心が満たされていくそうです。この壺を満タンにしていく方法を、後で紹介していきますが、まずは全体像がわかるように図にしてみました。

ストロークを与えられない17の理由

今、これを読んでいるということは、少なからずこのストロークの壺が、たまらずに悩んでいるのではないかと思います。

今まで、貰った経験が少ないと、自分にも他人にもストロークを与える方法がわからないと思います。あるいは必要性を感じていない人もいるのではと思います。

ストロークを与えられない理由が、たくさん挙げられていたので、何かの気づきになればと思います。

  1. 良く出来ているところよりも、悪いところが目に付いてしまうから
    誉めるよりも、注意してしまう。
    注意することも大事だけど、まずは肯定的ストロークで、出来ているところを誉める。
    注意は、そのあとで。

  2. 自分が貰ってこなかったから、与え方がわからない
    いつも叱られたり、怒られたり、馬鹿にされてきた経験だけを積み重ねてくると、ストロークの心地よさや嬉しさを実感出来ない。
    見本がないからわからない。 そういうときは、上手な人を見習う。

  3. もらったストロークに条件がついていたから、素直に与えられない
    「言うことを聞くから良い子ね」「100点取ったから良い子ね」と、いつも条件がついていると、条件を満たさないと与えてはいけないと、無意識に思ってしまってる。
    何かが出来たから素晴らしいのではなく、自分も他の人も存在するだけで素晴らしい。

  4. あげてばっかりだと、損した気分になるから
    今までの経験から、あげても返してもらえないと思っているので、どうせ返してもらえないのなら、あげるだけ損と思っている。
    お返しを期待せず、騙されたと思って心からストロークを与えてみれば、きっと伝わるはず。

  5. 与えると図に乗るから
    調子に乗ったり、いい気になったら、気のゆるみにつながり、成長を妨害すると思っている。
    実際は、ストロークを貰うと心が満たされ安定し、モチベーションが上がるもの。
    間違ったら教えてあげればいいだけ、まずは、与えることから始める。

  6. そのレベルに達していないから(そのレベルが非常に高い)
    レベルに達していなくても、一生懸命頑張っていることや、努力していることなど、認めるところは、たくさんあるはず。
    相手の存在を認め、良いところを認め、修正するところを受け取れる形でフィードバックするなど、すべてストロークになる。
    ストロークすべきところでしないことは、無視になり、ディスカウントになる。

  7. 自分が負けた気分になり、悔しいから
    相手の方が優れていて自分が劣っているように感じたくないから。
    どちらが上とか下ではなく、私もOK,あなたもOKの立ち位置に戻ることを思い出す。

  8. 与えても、与えなくても同じだから
    誰にも頼らずにひとりで頑張って生きてきて、ストロークを貰った経験も少なく、ストロークの大切さを特に感じられない 。
    ほめられたり、認められたり、励まされたりすることで勇気がわき、元気が出るもの。
    本当に、与えても与えなくても一緒なのか、勇気をだして試してみると、とりまく環境が変わってくる。

  9. 面倒くさいから
    いちいち他人のよいところをみつけたり、それを本人に伝えるのが面倒。
    そんなことより、自分の関心のあることにエネルギーの注ぎたい。
    つまり、自分さえ良ければよいと思っている。
    類は友を呼ぶで、自分の意見を主張しあうものばかりの世界で生きることになる。

  10. 自分のような人間が言うべきことじゃないと思うから
    自信がなく、自己評価が低い。自分をディスカウントしてる。
    本当に感じたことであれば、それは真実として十分なエネルギーを持ったメッセージとなる。心から感じたことを勇気をもって 伝えてみる。
    自分が自分らしく豊かに生きるコツ、それはストロークの壺を満たすことなので、自分にもストロークを与える。

  11. 自分が言わなくても分かっていると思うから
    伝えた時に「わかってるよ」「知ってるよ」と言われるのが恐くて遠慮してしまう。
    相手にすると、その長所を知っていたとしても、嬉しいもの。
    自分が感じたことを素直に自分の言葉で伝えることが大切。

  12. 自分よりも相手が目立つと嫌だから(嫉妬心)
    自分の方が目立ち、注目されたいから、相手を目立たせるようなストロークを与えたくない。
    一度、そういう自分の「小さなこころ」を超えてストロークをしてみると、受け取った人の喜んだ顔やしぐさをみて、あたたかな気持ちになる

  13. 自分がストロークが欲しい
    自分が欲しくてたまらないので、他人に与える余裕がない 。
    常に欲しいと心が要求しているので、自分が与えられることにすら、気づいていない。
    自分に欲しいものは、まず自分から与えてみる。
    それは自分に返ってくるはずで、結局は一番の近道になる。

  14. 自分の方が上だと思ってるから
    常に相手と勝負をしていて、いつも勝っていないと落ち着かない。
    相手を認めると自分が下になってしまうのではと不安になる。
    上下という捉え方から抜け出し、自分には自分のいいところがあり、相手にも相手のいいところがあることを理解する。
    永遠に勝ち負けを繰り返すことは、不毛の人生以外の何ものでもない。

  15. いつまでも自分の手が必要だとアピールできるから
    ストロークを与えて、成長してもらうより、不完全なままでいてほしい。
    その方が、自分がいなければ、あなたはダメだと、自分をアピールできるから。
    ただ、自分は相手のためにやっていると思い込み、無意識にやっていることが多いので、相手の成長に役立っているか、自己満足ではないかと、振り返ってみる。

  16. 与えたら自分が変に思われるのではないかと思うから
    自分が与えたら場違いではないか、与える立場ではないのではと、自分の与えるストロークが変なもので、みんなから白い目でみられるのではないかと、考えすぎてチャンスを逃してしまう。 感じたことを、感じたときにストロークすればいい。

  17. 自分が満たされてないから与えられない
    忙しい毎日に追われ周りの人へストロークをだす余裕がない。 ストロークの壺が満たされていない不安定な状態。
    自分の壺が満たされていなければ、周囲の人へストロークを出すことは無理、まずは、自分のストロークの壺をみたす必要がある。
赤いハートを持った、くまのぬいぐるみ

ストロークが足りなくなると、とってしまう5つの言動

ストロークが足りなくなると、人はどんな行動をとるのかも、書かれています。
まずは、他人から奪おうとするパターン。
そして、壺がカラカラになっていても諦めて何もしないパターンです。

  1. ストロークを他人から奪おうとするパターン

    ①無力を装うタイプ
    必要以上に無力感を感じ「もうだめだ」「疲れた…」「私なんか…」などといい、それを周囲にアピールし、心配してもらうことで、まわりの人をコントロールしようとする。
    話しかけてもろくに返事をしなかったり、深いため息を何度も吐いたりして、周りから「どうしたの?」と心配され声をかけてもらいたがる。

    ガキタイプ
    子供っぽい文句をいう「こんなことやってられない」「出来るわけない」「やりたくない」など、すぐにむくれ、怒り、文句をいい周囲に当たりちらす。
    まわりから、なだめられたり、教えて貰ったり、叱ってもらおうとする。
    このように、文句を言ったり投げ出したりして、周囲をコントロールしようとする。

    見せかけの援助タイプ
    特にしなくてもいい、やらなくてもいいことを進んでみつけ、さも大変そうにやり、周囲から「あなたがいてよかった」「あなたのおかげだ」と無理やり言わせようとする 。

    威張るボスタイ プ
    重箱のすみをつつくように細かく相手のミスを見つけ出し、しつこく強い調子で責め立てる 。
    あるいは、責め立てる口実を事前につくっておいて罠をしかけ、みごとに罠にはまった人をここぞとばかりに責め立て、「あなたのおっしゃる通りです」「降参します、もう刃向かいません」と言わせる。
    相手を降伏させるまで、手を抜かないので、相手は無力感に陥り、一方的な上下関係になるか逃げだしてしまうことになる。

  2. 壺がカラカラで何もしないパターン

    ストロークを貰うことを諦めてしまっている。
    子供の頃からストロークをほとんど貰えなかったり、ディスカウントを繰り返し受けてきたせいでストロークの壺が破壊され、ストロークが貯まった経験もほとんどない。
    ストロークを受けた嬉しさや安心感、安定感を経験していない可能性がある。
    自分を責め、自分を痛めつけ、ストロークを貰えるように行動するわけでもなく、貰っても受け取らないことが多いので、さらに周りから貰えなくなるという悪循環に陥ってしまう。
Minori
Minori

Win-Winの関係でいられるよう、自分や、相手をディスカウントしていないか、 自分のいる領域を確認することも大切ですね。

TAのOK図表
OK図表

ネガティブスパイラル

  1. ネガティブスパイラルとは

    自分に自信がなかったり、相手に従順すぎる場合、ネガティブスパイラルに陥りやすい傾向があります。
    ネガティブスパイラルとは負の思考連鎖のこと。

    自分にとって良くないこと、自信を失ってしまうこと、自分をディスカウントするような言葉を「自分で自分に」ずっと言い続けてしまう 。

    ささいなミスをしただけなのに、前にも失敗したと次から次へと思い出し、延々と自分を責め最終的には生きていけないとさえ思ってしまう 。
  2. ネガティブスパイラルの止め方 3Step

    Step1】
    ネガティブスパイラルを止める為に一番大切なことは、自分がネガティブスパイラルに入っていることに気づくこと。
    その渦の中に入っていることを自覚すること。

    Step2】
    ショックを与えることで、その思考にストップをかける 。
    例えば、ネガティブスパイラルにはまったことに気づいたら、すぐさま頭の中で大きな声で「ストップ!」と叫ぶ 。
    他に、両手で頬をたたいたり、壁をたたいたり、腕に輪ゴムをつけておいてピシッとはじくのも効果的と言われている。

    Step3】
    ポジティブな思考をぶつけ、思考の方向性をかえる 。
    今まで、出来たこと、人からほめられたこと、人から感謝されたこと、自分の好きなところ、自分を大切にしてくれる人たちの顔や言葉を思い出す。
    ネガティブ思考が強いとすぐには切り替えが難しいので、上にあげたポジティブなことをメモに書き、いつも持ち歩き、ネガティブスパイラルに入ったときに、集中して読む 。
    メモがないときのためにいくつか、暗記しておくといい。

    ※このメモの書き方を、次の「ストロークノートの作り方」で紹介します。

ストロークノートの作り方

デスクの上の手帳

 ストロークノートとは、自分にストロークを、より効果的に与えるための”ネタ帳”のこと

【書く項目】
・自分のいいところ
・自分の得意なこと
・うまくいったこと、出来たこと
・感謝されたこと
・認められたこと
・大好きな人たちの名前

ストロークを貰ったらすぐに書き足せるように、持ち運びできるサイズの手帳がおすすめ。
1ページにすべての項目を書くと、書き足せなくなるので各項目ごとにページをわけた方がいい。

夜、寝る前に読み、自分で自分にストロークをいっぱいあげ、ストロークの壺をいっぱいに満たしてから布団に入ると、良い夢が見られるはず。
日課にしていくと、より強固な壺に進化し、少々のことでは、こぼれたり、ひびが入らなくなる。

Minori
Minori

10年以上前に出版された本なので、手帳とありますが、現在はスマホを活用するのも良いかもしれませんね。

タイトルとURLをコピーしました