「親切」は驚くほど体にいい!-幸せ物質オキシトシンで人生が変わる
愛着を形成するのに、重要な鍵であるオキシトシンを出したいと思い見つけた本、
ディビット・ハミルトン著の【「親切」は驚くほど体にいい!-幸せ物質オキシトシンで人生が変わる】の紹介の続きです。
親切に生きるための考え方、人生をどんな姿勢で生きていくかについて書かれています。
オキシトシンがどば~っと出る7つの方法
オキシトシンを分泌させるには、何をすればいいのか。
著者は「他者とのつながる」あらゆる行為がオキシトシンを分泌させると、述べています。
具体的な例として、次のようなものがあります。
- 親切をする
- 感動する
- 感情を表にだす
- マッサージを受ける
- 愛する人と精神的に支え合う、スキンシップをとる
- ハグをする
- ペットをなでる(植木の世話でもOK)
「自分にないもの」ではなく、「自分にあるもの」に目を向け感謝する
感謝する
人と自分を比べることが満足度に与える影響を調べた研究では、自分に満足できるかどうかは、実際の状態とはあまり関係がなく、本人の主観に大きく左右されるそうです。
「自分が□□だったらいいのに」と、「自分が□□で良かった」という文章の□□を埋めるという課題をしたところ、「□□で良かった」の文章をつくったほうが満足度が高くなるそうです。
人はどうしても、他と比べてしまい、自分よりいいものを持っていると、それが欲しくなります。
それがモチベーションになり、手にいれたとしても、「もっと、もっと」となり、満足することはありません。
それよりも、今あるものの状況やすばらしさに目を向けたほうが、ずっと幸せになれるし、はるかに経済的だと、著者は言ってます。
感謝の恩恵を作家でカウンセラーであるメロディ・ビーティさんの言葉を引用してあるので紹介しますね。
感謝は人生の豊かさに気づかせてくれる。十分にもっている、十分すぎるとわからせてくれる。否定が受容に、混沌が秩序に、混乱が明快になる。(中略)
ディビット・ハミルトン著 「親切」は驚くほど体にいい!より引用
困難が恩恵に、失敗が成功に、災難が好機に、過ちが糧に変わる。
感謝は過去に意味をもたせ、現在に安寧をもたらし、未来に見通しを与えてくれる。
「とにかく、ここまで来られてよかった」と口にする
感謝しろといわれても、そう思えない状況の時もありますよね。
仕事のトラブル、家庭の問題、事故や災害など予期せぬことが襲い、逆境に陥ることがあります。
そんな時でも「プラスに繋がる芽は必ず見つかる」と、著者はいいます。
「とにかく、ここまで来られてよかった」と口に出してみることで、気持ちを切り替えることが出来るのだそうです。
過去の悪いことより良いことを思い出し感謝すると、気分が明るくなり、脳のなかのプラスの記憶や体験へネットワークが強化され、繰り返すことで明るい気分が定着してくるそうです。
自分のために人を許す
感謝の気持ちを忘れずに、前向きの人生を歩んでいても、他人の心ない言動に、ペースを乱される時があります。
そんな時は、「許す」の一語に尽くとのこと。
簡単でないことは、わかってるが、恨みを抱えていると体によくないので、自分のために許した方がいいそうです。
そうでないと、下記のような体によくないことが起こりやすいそうです。
- 過去の傷のことばかり考えてしまうと、ストレスがたまり人生全般に対して悲観的な気持ちになる
- 倦怠感や無力感に悩まされたり鬱になるケースもある
- 過去のことにこだわり、怒りや敵対感情を抱き続けると、血圧があがり心臓病のリスクがある
「許す」が難しければ「過去を捨てる」と考える
人を許せない理由のひとつに「許せば相手が一方的に損をする」という気持ちが働くからだそうですが、実際は相手を許さないと自分が損をするのだそうです。
それでも、難しいと感じるなら、心の垢を洗い落とすイメージで「過去を捨てる」と考えると良いそうです。
それで、悪い過去に引きずられて、新しいストレスをためる、という悪循環を断ち切ることができるそうですよ。
さらに、過去を捨てることで、自分を解放し、前へ進んでいけるようになるそうです。
そのためのエクササイズを紹介しますね。
順番にやる必要はなく、自分に合っていると思えるものから試すとよいそうです。
自分を慈しむー慈悲と自尊心は似て非なるもの
幸せホルモンを出すためにも、人に親切にしようと全面押しの本ですが、最後に忘れていけないことは、自分への親切、自分への優しさだとあります。
自尊心ではなく、慈悲のこころを持とうとあります。
慈悲とは、自分が欠点もあり失敗もする生身の人間であることを認め、自らの苦しみに目を向けて共感し慈しみといたわりの気持ちを抱くこと。
自尊心とは自分を肯定し、人から認められていると感じる気持ちのことだそうです。
挫折を経験したときは、とりわけ慈悲の気持ちが大切になります。
なぜなら、自分を慈しめる人は、立ち直りが早い傾向があるそうなんです。
慈悲の態度には、私たちに逆行乗り越える力を与え、過去の苦しみを癒して、前を向けるようにしてくれるそうなんです。
辛い出来事のプラス面に目を向けて、糧にしていけるんです。
私は50代なので、”人に優しく自分に厳しくあれ”と教えられてきました。
でも、自分に厳しいと、人にも厳しくなり、それに気づくと、罪悪感を感じるということもありました。
そういうときは、飛行機の緊急酸素マスクの話を思い出すようにします。
【先に自分がマスクをしなさい。そうでないと、人を助けることが出来ない。】
この例えが自分にはすごく、腑に落ちて、”人にも自分にも優しくあれ”と、考えを修正することができました。
優しさをつなげていく
飛行機で女性として初の大西洋横断飛行を成功させたアメリア・イヤ-ハートさんの言葉が載せられているので、紹介します。
親切が、それきりで終わることはありません。
ディビット・ハミルトン著 「親切」は驚くほど体にいい!より引用
ひとつの親切は別の親切へとつながっていきます。
いいことをすれば人に影響を与えるのです。
一つの真実は、四方八方に根を広げ、私達全員がその恩恵を受けられるのです。
この言葉をきいて、ある映画を思い出しました。
大昔にみたケビン・スペイシー主演の「ペイ・フォワード」です。
ある11歳の少年が、社会科の授業中に、担任の先生から「もし君たちが世界を変えたいと思ったら、何をする?」と問い掛けられ、悩んだ末にあるアイデアを思いつきます。
それは”ペイ・フォワード”。他人から受けた厚意をその人に返すのではなく、まわりにいる別の人へと贈っていく…という奇想天外なアイデア。やがて、その優しさの連鎖は広がっていき、心に傷を負った大人たちの心をも癒していく。という心があったまる映画です。
古い映画ですが、見終えた後、親切をしたくなる素敵な映画です♪
世界を変えることができる
著者は、「一人ひとりの小さな親切の積み重ねが、より良い明日へとつながっていき、世界に微笑みを取り戻してくれるでしょう」と言う言葉で締めくくっています。
そして、「あなたの優しさひとつから世界は変わっていく」と。
私は、人に親切にしたり、手を貸そうと思った時に、「逆に迷惑かも」と思ってしまうことが多いんです。
私の手より、他の人の手のほうが相手は望んでいるのでは…と考えてしまうんですよね。
自己肯定感が低すぎ!って我ながら思いますが、だからこそ、この「自分のために親切にする」のほうが、取り組みやすいと感じました。