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オキシトシンの調節不全が引き起こす内向的HSPの生きづらさ – SSRIが効かない

愛着・AC

こんにちは、管理人みのりです。
近年、”幸せホルモン”と呼ばれる神経伝達物質、オキシトシンの調節がうまく働かないとHSP、不安症などの生き辛さの原因となっていることが明らかになってきました。

私自身、オキシトシン異常に起因する”D-MER(不快性射乳反射)”に悩まされたり、不安症の薬、SSRIが効かないことなどから、オキシトシンの調節機能に問題があるのではと思い至り、いろいろ調べましたので、同じように悩んでいる人のヒントになれば、とても嬉しいです。

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はじめに

オキシトシンは社会性の形成や情動の調整など、私たちの心と行動に大きな影響を及ぼすホルモンです。

しかし、オキシトシンの調節がうまくいかないと、対人関係の困難さや感覚過敏、不安感の増大など、さまざまな症状が引き起こされます。

私がオキシトシンに着目したのは、不安症でSSRI投薬治療を5年も続けているのに、副作用の眠気が強く、肝心のやる気効果が得られないことが発端でした。

また、D-MER(不快性射乳反射)という症状に悩んだことを思い出し、これもオキシトシンが関与していることが分かったのです。

D-MERとは、Dysphoric(不快気分)/Milk(ミルク)/Ejection(排出)/Reflex(反射)の略で、母乳を赤ちゃんに与え始めると、唐突にネガティブ感情に襲われる症状です。
ゾワゾワ、ザワザワとした不快感が湧き上がる感じです。

ですが、一部の人にしか現れない症状だし、20年以上前には育児書にも、のっていませんでした。
しかし、最近になってオキシトシンが関与していることが明らかになってきたのです。

すると、HSP、不安症、愛着問題、やる気のなさ、体力のなさなど、自身の生き辛さがすべて、オキシトシンの調節不具合でつながったのです。

オキシトシンが関係していると言われる自閉症や、D-MERの治療として、アメリカではオキシトシン補充療法がおこなわれています。
点鼻薬で、鼻にスプレーをするそうです。
しかし、日本ではオキシトシン補充療法は未承認で、受けることが出来ません。

この記事では、オキシトシンの機能と特性を理解し、生き辛さの原因となる、HSP、不安症、愛着問題、発達障害とオキシトシンの関係について詳しく見ていきます。

さらに、原始反射の残存の統合が、諦めていた運動音痴や気力の改善が期待できることについて述べていきます。

オキシトシンの機能異常とこれから述べる生き辛さとの関連性については、近年の研究によってその可能性が指摘されつつあります。
しかし、決定的なエビデンスが得られているわけではありません。
これからの研究の進展に期待したいと思います。

オキシトシンの機能と特性

オキシトシンは末梢器官においては子宮収縮や乳汁分泌を促す.
中枢では,扁桃体をはじめとする「社会脳」領域を介して社会性行動,特に「信頼を基礎とするあら
ゆる人間相互間活動」にも影響を与える
ことがわかってきた.
オキシトシンは人で愛情や信頼の形成に関与している.
オキシトシン遺伝子,オキシトシン受容体やオキシトシンの脳内分泌を制御する CD38 などがそれらの機能に関係する.
それらの遺伝子や分子の欠損や異常が,広汎性発達障害や自閉症の良い対人関係を構築できない社会性障害の原因ではないかと考えられるようになってきた.

オキシトシンと発達障害 金沢大学子どものこころの発達研究センター 東田 陽博・棟居 俊夫

オキシトシンは、脳内で産生される神経ホルモンの一種です。
このホルモンは、社会性の形成や情動の調整、ストレス反応の制御など、私たちの心と行動に深く関わっています。

オキシトシンの役割には次のようなものがあります。

  • 対人関係の構築や信頼感の醸成
  • 愛着形成に重要な役割
  • 不安やストレスの軽減
  • 快感情の喚起

先述の通り、オキシトシン系の異常は自閉症やHSP、不安症などの発達・精神的障害の背景にも深く関与していると考えられています。

一方で、オキシトシンの適切な分泌と機能発揮が、私たちの心の健康と適応的な行動を支えているのです。

このようにオキシトシンの特性と機能について理解を深めることは、これらの障害の本質に迫る上で非常に重要となります。

なので、次章では、具体的な障害との関連性について詳しく見ていきます。

自閉症とオキシトシン

自閉症は、社会性の障害、コミュニケーションの困難さ、常同的な行動パターンなどを主な特徴とする発達障害です。

近年の研究から、この自閉症の中核症状とオキシトシンの関係性が明らかになってきました。

オキシトシンは社会性の形成や情動調整に重要な役割を果たしているホルモンですが、自閉症患者ではオキシトシン受容体遺伝子の異常が認められます。その結果、オキシトシンの機能不全が生じ、対人関係の難しさや感情表出の問題につながっていると考えられています。

なお、日本ではオキシトシンを使った自閉症治療薬の承認がまだ得られていない状況にあります。しかし、海外では「オキシトシン療法」と呼ばれる治療アプローチが注目されており、臨床試験では社会性や共感性の改善が報告されています。

つまり、自閉症の病態とオキシトシンの関係性を解明し、その知見を活かした治療法の開発が、今後の大きな課題となっているのです。

不安症とオキシトシン

不安症とは、強い不安感や恐怖感が持続する精神疾患の総称です。パニック障害や社会不安障害、全般性不安障害などがその代表例です。

近年の研究から、不安症患者においてはオキシトシン分泌の異常が認められることが明らかになってきました。

つまり、オキシトシン系の機能不全が、不安症の発症と密接に関係しているのです。

このようにオキシトシンの視点から不安症の病態を捉えることで、新たな治療アプローチの可能性も見えてきます。例えば、オキシトシンの補充療法などが期待されています。

オキシトシンは不安やストレスの軽減に寄与するホルモンですが、その調整機能の乱れが、過度の不安感の増大につながっていると考えられています。

オキシトシンは自閉症の治療だけでなく、うつ病や社会不安障害等の他の精神障害に対する治療にも役立つのではないかと期待されています。

自閉症の治療薬は?― オキシトシンの可能性 ―  国立特別支援教育総合研究所客員研究員 渥美 義賢

HSPとオキシトシン

HSP (Highly Sensitive Person)とは、感覚刺激に対する過敏さが高く、深く考え込む傾向のある人々を指す概念です。

HSPの特徴としては、感覚過敏、情動の高反応性、細かい点への気づきの鋭さ、深い内省性などが挙げられます。これらの特性は、しばしば発達障害や精神的問題を伴うことが知られています。

そして、近年の研究では、HSPの背景にオキシトシン系の異常が関与している可能性が示唆されています。

オキシトシンは感覚情報の統合や情動反応の調整に深く関わっているホルモンです。
HSPにおいては、オキシトシン系の機能不全により、感覚過敏や情動的反応の制御困難が生じていると考えられるのです。

つまり、HSPの特性は、オキシトシンの適切な分泌と機能発揮が損なわれることで引き起こされている可能性が高いのです。

このようにHSPとオキシトシンの関係性を理解することは、HSPの本質に迫り、適切な支援につなげていく上で重要な視点となります。

原始反射の統合とオキシトシン

ここまで見てきたように、オキシトシンの機能異常が、自閉症やHSP、不安症といった生き辛さの背景にあることが明らかになってきました。

その一方で、私はこれらの生き辛さに共通して見られる特性の1つとして、原始反射の残存に着目しています。

原始反射とは、新生児期に備わっている反射行動のことで、通常は生後1、2年以内に統合(なくなる)されていきます。

しかし、何らかの理由でその統合が阻害されると、感覚過敏や情動の制御困難、常同行動などの症状が現れる可能性があるのです。

そして、興味深いことに、オキシトシンはこの原始反射の統合過程にも深く関与していることが分かってきました。原始反射の残存により、オキシトシンの不具合がでていて、さまざまな生き辛さになっているかもしれません。

でも、大丈夫です。
今からでも、簡単な運動で改善すると報告されています。

オキシトシン補充療法未承認である以上、原始反射残存の統合に、大きな期待をしています。

愛着障害とオキシトシン

また、愛着障害についても、オキシトシンの関与が指摘されています。愛着障害は、乳幼児期の養育環境の問題により生じる障害ですが、オキシトシンの分泌や受容体機能の異常が、適切な愛着形成を阻害している可能性があります。

おわりに

本稿では、オキシトシンと生き辛さについて、解説してきました。

HSP、不安症、機能不全家族、D-MERといった生き辛さの背景にあるのは、共通してオキシトシン系の異常がある可能性がでてきました。
オキシトシンの機能調整が、感覚過敏や情動の制御、対人関係の改善につながる可能性があるのです。

まだ、研究段階であり、オキシトシン治療も当分先になるかもしれない今、原始反射統合の運動トレーニングの期待は高まります。

自身と同じように、生き辛さに悩んでいる方へシェアをし、ともに人生を楽しむことが出来ればとても嬉しく思います。

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