この記事は、私(みのり)の個人的な解釈に基づいています。
もしも「星の王子様」のファンの方々の気持ちを害する部分があったら、どうかご容赦ください。
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの著書「星の王子様」は、すごく有名な物語ですよね。
この物語の肝は、「大事なものは目に見えない」とよく言われます。
自分の愛すべき星で平和な時間を過ごしていた王子様は、突然飛来したバラによって振り回されることになります。自分は特別だというバラのお世話をするも、不平や不満ばかりで、心優しい王子様は心も体も疲弊してしまったからです。
たまりかねて、自分の星を去ることを選び、いろいろな星を旅して、気づきを得ていきます。
最後にたどり着いた地球で王子様はキツネに出会います。
狐は、友情を深めるには「一緒に居たり、世話したりする時間の積み重ねが必要」と言い、それに対する「責任」があると言われます。
「責任」という言葉は、繊細な人には、かなり厳しい意見です。
何故なら、必要以上に「責任」を感じやすいからです。
王子様は十分にバラに尽くしましたが、バラはお礼どころか不平しか言わなかったのです。
人間関係の基本は「お互いが対等」ではないでしょうか。
それなのに、狐は、わがままなバラは特別だと言い、バラをひとり、おいてきたことへの罪悪感を植え付ける言い方をします。
そのことで、王子様が星に戻る、もしくは「死」を選んだのだとしたら、悲しすぎ、私は憤りを覚えます。
王子様は「ピュア」「大人になりきれない」の代表とされることが多いですが、私は、繊細で、相手を思いやる気持ちが溢れる優しい少年だと思います。
「大人になりきれない」というのなら、それは、相手も自分と同じように思いやりある人だと信じていたことではないでしょうか。
1. 星の王子様とバラの関係のいびつさ
「星の王子様」の物語では、繊細で優しい王子様と、自己中心的なバラとの関係が描かれています。
王子様はバラを愛し、日々世話を焼いていました。
しかし、バラはその愛に応えず、常に不平を言い続けました。
王子様はバラの美しさと優雅さに魅了されながらも、その態度に心が疲れてしまいます。
このような一方的な関係は、繊細な人々にとって非常に疲弊するものであり、彼らの心に深い傷を残します。
繊細な人々は、他人の感情や行動に敏感であり、相手のニーズに応えることに喜びを見出す傾向があります。
しかし、相手がそれを当然のように受け取り、感謝の気持ちを示さない場合、繊細な人は自分を責めてしまうことがあります。
これは、王子がバラに尽くしてもその愛が報われないという状況に似ています。
2. いろいろな星を回る旅の意味
王子様がいろいろな星を旅して得た気づきは、自分自身の存在や関係性についての深い理解をもたらしました。
各星の住人たちとの出会いを通じて、王子様は自分の星、つまり自分自身の価値や役割について考えるようになります。
これは、繊細な人々が自己理解を深めるために他者との関係や異なる視点を学ぶ過程に似ています。
旅を通じて、王子様は自分の星の特別さや、そこでの関係性の重要さに気づきます。
これは、繊細な人々が一度距離を置いて自分の生活や関係性を振り返り、再評価することの大切さを示しています。
3. 距離を置く勇気と自己保護
王子様がバラから距離を置くことを選んだのは、自分を守るための自然な反応です。
繊細な人々も、同様の状況に直面したとき、自分を守るために距離を置くことが重要です。
これは自己愛と自己保護の第一歩であり、健全な心の状態を保つために必要な行動です。
物語の中で、王子様はバラをひとりにしたことに罪悪感を覚えますが、これは多くの繊細な人々が感じる感情でもあります。
しかし、この罪悪感は自己責任を感じすぎることから来ている場合が多いです。
繊細な人々は、自分ができることを尽くした後も、相手の不満や不幸に対して責任を感じてしまうことがあります。
4. 健全な関係の見極め
繊細な人々が健全な関係を築くためには、相手が自分を尊重し、感謝の気持ちを示してくれるかどうかを見極めることが重要です。
一方的な関係から離れることは、大人になることの一部であり、自分の心と精神を守るために必要です。
王子様が星を旅する中で、さまざまな人物に出会い、それぞれの行動や考え方から多くの学びを得ます。
これらの経験を通じて、王子様は自分の星の特別さや、バラとの関係のいびつさに気づきます。
この気づきは、繊細な人々が一方的な関係から離れ、自己を大切にするための第一歩となります。
5. 大人になることの意味
「星の王子様」は、大人になることの意味を考えさせられる物語です。
大人になるということは、単に年齢を重ねるだけではなく、自分を大切にし、健全な関係を築くために必要な判断力を持つことです。
王子が最終的にどのような決断を下したとしても、彼の物語は繊細な人々にとって自己愛と成長の重要性を教えてくれます。
王子は、バラとの関係を通じて愛と苦しみを経験し、その過程で自分自身の価値や役割を見つけました。
このような経験は、繊細な人々が自分の人生においても直面するものであり、その中で成長していくことが求められます。
さいごに
私自身、バラを見捨てることへの罪悪感に苦しんだ経験があります。
「誰にでも優しく」それが、素晴らしいと長い間、洗脳されていました。
あなたを大事にしてくれる人と、そうでない人にも同じように接するのは、自分自身の価値を見失うことです。
限られたエネルギーは、本当に大切に思う人たちに向けるべきです。
私もそのことに、気づくまでに時間がかかりましたが、今では自分を守るための境界線を引くことの重要性を理解しています。
自分を犠牲にしてまで他人に尽くすのは、自分に対して不誠実ではないでしょうか。あなた自身を大切にすることで、価値ある関係を築き、心からの幸せを感じられるのです。
王子様が、最終的にどんな選択をしたのかは、描かれていません。
もし、バラがいる自分の星に戻ったとしても、前の王子様とは違います。
たくさんの気づきと成長をした王子様は、自分のペースを守りながら、バラへのエネルギーの分配を考え直すでしょう。
以上、繊細さんに向けた、みのり解釈の「星の王子様」でした。
限られた人向けだと思いますが、誰かひとりにでも、こころに響いたら、とても嬉しいです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。