子どもの頃、私は「空想」という楽しい遊びを知っていました。
いろんな世界を夢見て絵を描いたり、色鉛筆で心をときめかせたり…そこには、誰にも邪魔されない“わたしだけのゾーン”がありました。
でも──
そんな自分の世界は、ある日突然、終わってしまったのです。
忘れもしない、小学校3年生のある学級会。
その日の議題は、「みのりちゃんについて」。
母が、おとなしすぎる私を心配して担任に相談した結果でした。
時代は昭和。
「友達は多い方がいい」「外で元気に遊ぶのが正しい」という空気もあったし、まわりの子たちはとても優しかった。
でも、当時の私はまったく困っていなかったんです。
外でワイワイ遊ぶタイプではなかったけれど、嫌われていたわけでもなく、数人の友達がいれば十分楽しかった。
なのに、学級会で“みのりちゃんを外に誘おう”という動きが起き、空気が読めた私は断れず、楽しくもない「つきあいの遊び」が始まりました。
あのときから…
私の空想の世界は、ちっちゃくなってしまった。
そして、「外向きの私」が生まれました。
よく言えば、“社会性を身につけた記念日”かもしれない。
だけど私は、それ以来、モヤモヤとした違和感を抱えて生きるようになりました。
半世紀がたち、社会の空気も変わり、巣ごもりや内省の時間が“当たり前”とされるようになって──
ようやく私は、自分に問いかけるようになりました。
このまま、人生が終わってしまっていいの？
周囲の期待に応えて、ほとほと疲れ果てたまま、終わっていいの？と。
答えを求めて、たくさんの本を読んだり、動画を見たり、“楽しい趣味”を探したこともありました。
でも、いまいちピンとこなくて…
ひととおり試して、ようやく気づいたのです。
ああ、私は──
「なぜ生まれてきたのか」を知りたいんだ。
「本当の自分」と繋がって、そこから生きていきたいんだ。
子どもの頃に感じていた、確かに存在していたあの“自分の世界”。
それは、現実逃避ではなく、魂の原点だったのかもしれません。
内向型という気質を理解した今だからこそ、ようやく思えるのです。
私はおかしくなかった。
ただ、自分の内側と深くつながっている人だっただけ。
あの頃の“自分に戻りたい”と思っていたけど、
それは後戻りではなく、ようやく出発点に立てたということ。
だから、私は今もう一度──
自分とつながり直して、生きていきたいのです。
一周まわって、ようやく「わたし」と繋がるために。
あの学級会で感じた劣等感の正体、内向型という気質について詳しく書いた記事はこちら
