罪悪感の罠
「罪悪感を持つ人ほど、支配されやすい」
これは、トランサーフィンの考え方にも通じるものがあります。
トランサーフィンの著者ゼランドは、罪悪感を持つことは潜在的に罪を受けることに同意していると述べています。罪悪感を感じている人は、自分が悪いと信じているため、その責めに対して防御が甘くなり、他人がその罪悪感につけこんで責め立てることが容易になるのです。
自分が否定され続ける環境にいると、無価値感にさいなまれ、そこから抜け出したくなるのは当然のこと。
しかし、ようやく勇気を振り絞って離れようとしても、今度は「セカンドハラスメント」という壁が立ちはだかります。
セカンドハラスメントとは?
被害者がやっとの思いでハラスメントから抜け出そうとしても、周囲の反応がそれを妨げることがあります。
「そんなことで大げさにするな」 「でも、相手もあなたを愛しているんじゃない?」 「あなたにも悪いところがあるんじゃないの?」
こうした言葉が、被害者を再び罪悪感に縛りつけ、加害者の元へと戻らせてしまうのです。
現実社会でも、セクハラやパワハラを勇気を持って告発した人が、「売名行為」「慰謝料目当て」などと非難されることがあります。
この「二次被害」こそが、セカンドハラスメント。
モラハラ加害者は巧妙に支配し、周囲の人まで操ることがあるため、被害者が本当に「自由」になるためには、このセカンドハラスメントの存在にも気を付ける必要があります。
また、私たちの世代では、離婚の理由が「女・暴力・ギャンブル」に該当しない限り、「わがまま」と見られる風潮がありました。
しかし、見えにくいモラハラやカサンドラ症候群は、心を壊すほどの影響を与えます。
「あなたの我慢が足りなかっただけ」「努力すれば変わったかもしれない」
そんな言葉に傷つけられ、追い詰められた人も多いはずです。
でも、現実に負けないでください。あなたの感じた苦しみは、本物です。
星の王子様でみるモラハラとセカンドハラスメント
私は以前に、星の王子様とモラハラの記事を書きました。 その記事では、キツネが星の王子様にセカンドハラスメントをしたという視点を取り上げました。
多くの人は、「バラの水やりをしたり、風よけの世話をしたり、そういう時間が愛を育て、親密になっていく」と教えたキツネを良い存在だと捉えるでしょう。
しかし、重要なことは、対等であること、相手を尊重する心を持っているかです。
そういう意味ではキツネはセカンドハラスメントの当事者だとみることもできます。
何故ならその関係が成り立つのは、お互いが対等であり、相手を思いやる気持ちがある場合に限られるからです。
星の王子様の物語では、王子さまは確かにバラに尽くしました。 しかし、バラはどうでしょう。 尽くしても尽くしても不満ばかりを述べ、王子さまの努力や愛情に応えることはありませんでした。
王子さまが心を折られてしまうのは、自然なことです。
「愛の仮面」を見抜く
モラハラ加害者は「愛」という言葉を巧妙に利用します。
「あなたのためを思って言ってるの」 「こんなにしてあげてるのに、なぜ分かってくれないの?」
本当に相手を信頼しているなら、相手の選択や決断を尊重するはずです。
でも、依存関係の中では、「この人がいなければ生きていけない」と思い込んでしまい、そこから抜け出せなくなることがよくあります。
その結果、相手の言うことを疑う余裕がなくなり、無意識のうちに信じ込んでしまうのです。
ある意味、その方が楽だから…。

モラハラ加害者の特徴――こんな人には要注意!
モラハラは目に見えにくいものです。
以下のような特徴がある人には、警戒が必要です。
✅ 罪悪感を持たない / 責任を他人に押し付ける
✅ 強い者には弱く、弱い者には強い
✅ 猫なで声や、過剰にへりくだる態度(慇懃無礼)
✅ 立派な言葉を使うが、実際の行動が伴わない
✅ 周囲の人に非現実的なほど高い要求をする
✅ 「愛の人」と装うが、内面には強い憎しみや幼児性がある
✅ ターゲットにした相手に対し、矛盾した発言をしても気にしない
✅ 自分の不幸は大げさに語り、他人の不幸は楽しむ
✅ 恩に着せる(不安を煽り、助けることで感謝を引き出す=マッチポンプ)
✅ しつこく執着し、相手の心を支配しようとする
✅ 「パラノイア誘発者」として、不安や恐怖を煽る発言をする
※[パラノイア]とは → 他人が常に自分を批判していると感じ、疑念や不安に取りつかれる状態
「この人、ちょっとおかしいかも?」と違和感を覚えたら、その感覚を大切にしてください。
自己犠牲しがちな人へのメッセージ
相手を思いやるあまり、自己犠牲しやすい人は、モラハラ加害者のターゲットになりがちです。
なぜなら、罪悪感を刺激されると「見捨てることができない」と思ってしまうから。
相手の問題だと、割り切る強さが必要な時もあるのです。
なぜなら、あなたが我慢して関係を続けても、相手は決して変わりません。
むしろ、あなたが距離を置くことで、相手の支配は通じなくなります。
あなたの人生は、あなたのものです。
「本当に、この人と一緒にいて幸せか?」「この人の満足のために自分は生きているのではない」
一度、立ち止まって考えてみてください。
あなたが大切にすべきは、「あなた自身」です。
とっても難しいですよね。怖いですよね。
でもこの記事をよんでるということは、抜け出したいと自分の幸せを望んでいるはず。
あとは、ちょっとした勇気だけです。