〜自己肯定感を育てたいあなたへ〜
「人と関わるのが苦手」「自分に自信がない」「何をしても満たされない気がする」
そんな思いを抱えているあなたに、ぜひ知ってほしいのが「ストロークの壺」という考え方です。
自分の内側にある“心の壺”に、どんな風にぬくもりをためていけるのか──
この章では、心を満たす3つの方法と「ターゲットストローク」の見つけ方を紹介します。
壺を満たす方法
前回でも書きましたが、人は誰でも、心のなかに「ストロークの壺」を持っているといわれています。
この壺は、やさしさや励まし、ふれあいといった“ストローク(心の栄養)”を受け取ることで満たされ、私たちの心を安定させてくれます。
でもこの壺、実はとてももろくて、”ディスカウント(否定や無視、軽視など)”によって、すぐにひびが入ってしまうのです…。
ストロークの壺を空っぽにしないためには、ストロークをためていく工夫が必要です。
そしてそれは、特別なことではなく、日々の中でできる小さなことの積み重ねです。
ポイントは、「自分にも、他人にも、ストロークを与え、受け取る」こと。
ここでは、壺を満たすための3つの方法をご紹介します。

自分で自分にストロークを与える
たとえば…
- うまくいったことを素直に褒める
- 小さな達成を見逃さず、「よくがんばったね」と認めてあげる
- 鏡の前で「今日もいい顔してるよ」って言ってみる
はじめは照れくさくても、自分にやさしくする言葉は、ちゃんと心に届きます。
この「自己ストローク」を習慣にすると、自己肯定感が少しずつ育っていきます。
周囲からのストロークを素直に受け取る
誰かからの「ありがとう」「助かったよ」「元気そうだね」という言葉。
あなたは、それをちゃんと受け取れていますか?
「いえいえ、全然…」と否定してしまうクセがある人は、要注意。
それ、もったいないです。
ストロークは、相手からの“贈り物”。
「ありがとう」と笑顔で受け取ることで、あなたの壺に、確かに満ちていくのです。
受け取ることは、与えることと同じくらい、大切な行動です。
自分からもらいにいく
「今、自分にはストロークが足りてないな」と感じたら、自分からもらいに行ってもいいのです。
- 誰かに「聞いてもらえる?」と素直に言ってみる
- 信頼できる人に「ちょっとほめてほしい(笑)」と甘えてみる
- SNSなどで、共感しあえる仲間の投稿に触れてみる
この「もらいに行く」というのは、決してわがままではありません。
むしろ、健全な自己ケアのひとつです。
もちろん、無理やり求めたり、相手に依存するのではなく、「こんなふうに関わってもらえると嬉しい」という自分の望みに気づいて、それを伝えることが大切です。
ストロークの壺が満ちると、自然と「今度は誰かに与えたい」と思えるようになります。
それがストロークの好循環を生み、やさしい世界を作っていくのです。

自分にとっての「ターゲットストローク」を知ろう
人によって、特に響くストロークは異なります。
たとえば…
- 「頑張ってるね」と言われると一気に元気が出る人
- 「安心する」と言われるとほっとする人
- 「信じてるよ」と言われると涙が出そうになる人
こうした、自分の心に“どかん”とたまるストロークを「ターゲットストローク」といいます。
それは、自分が無意識に「本当はもっともらいたかったけど、もらえなかった」栄養だったのかもしれません。
ワーク:あなたのターゲットストロークを見つけよう
以下のワークで、自分にとってのターゲットストロークを探ってみましょう。
- 自分の「いいところ」や「好きなところ」を思いつくだけ書き出してみる
- その中から、特にしっくりくる5つを選ぶ
- 選んだ言葉を声に出して読んでみて、一番心が反応したものを選ぶ
それが、あなたにとって「もっとも受け取りたかったメッセージ」かもしれません。
今後、自分にストロークを与えるとき、また他人の言葉を受け取るときに、そのメッセージを意識してみてください。
心が満たされると、誰かにも与えられるようになる
ストロークの壺が満たされてくると、自然と他の人にもストロークを与えられるようになってきます。
これは「ギブ・アンド・テイク」ではなく、満ちた人から、自然とあふれていく優しさ。
だからこそ、まずは「自分を満たすこと」を自分に許してあげてください。
👉パート5:次回は、ストロークの磨き方です。