ここまで、ストロークとは何か、どう満たしていくか、さまざまな視点から見てきました。
でも、ストロークが不足すると…
人は、無意識のうちに誰かから「奪おう」としたり、心を閉ざして「受け取らない」選択をしてしまうことがあります。
この記事では、その2つのパターンをご紹介します。
でも、安心してくださいね。
実は、私も、やっていたことがありました。
気づくことが、変わるきっかけになります。責めなくても大丈夫。
大事なのは、「そうだったんだ」と自分に気づき、自分にOKを出していくこと。
そうやって少しずつ…最終的には「私はOK、あなたもOK」で生きられるようになるための一歩です。
ストロークを他人から奪おうとするパターン
- ①無力を装うタイプ
「もうダメ…」「私なんか…」と無力感をアピールし、周囲の関心や心配を引き出そうとします。
深いため息や返事をしない態度で、声をかけてもらうのを待ってしまうことも。 - ②ガキタイプ
「こんなことやってられない」「やりたくない」と不満をぶつけて周囲を困らせたり、なだめてもらおうとするタイプです。 - ③見せかけの援助タイプ
やらなくてもいいことを率先して引き受け、「あなたがいてよかった」と言われることでストロークを得ようとします。 - ④威張るボスタイプ
相手のミスを細かく指摘して責めたり、無力感を与えることで上下関係を固定し、自分の存在価値を得ようとします。
壺がカラカラで何もしないパターン
過去にストロークをもらえなかったり、繰り返し否定されてきた人は、自分がストロークを受け取れる価値がないと思い込んでしまうことがあります。
その結果…
- 自分でストロークを求めにいくことをあきらめる
- もらっても「どうせ…」と受け取らない
- 周囲との関係も徐々に希薄になる
という悪循環に陥ってしまうのです。
一見ストロークに見えるディスカウントに注意
ストロークとディスカウントの違いを理解しているつもりでも、
「優しさ」や「助言」に見えて、実は相手を傷つける言葉ってありますよね。
以下のような言葉には注意が必要です。
【一見ストロークに見えるディスカウントの例】
- 「これはお前のために言ってるんだぞ。わかったら言う通りにしなさい」
一見するとアドバイスのようですが、根底には
「お前はダメだから、私の言うことを聞け」というメッセージが隠れています。 - 「つらかったら会社を辞めてもいいのよ、まだ若いんだから。お父さんも働いてるし」
一見すると相手を思いやる言葉のようですが、
「あなたは一人前じゃない。私がいなければやっていけないよ」という無意識のメッセージが含まれています。
このような言葉は、表面的にはストロークに見えても、相手の存在や能力を否定してしまうディスカウントになりがちです。
大切なのは、「あなたのことを信じているよ」「あなたにも力があるよ」という肯定的で対等なまなざしをもって言葉を届けること。
自分を責めすぎるあなたへ
うまくできなかった日、誰かに冷たくされた日、
大切な人と気まずくなってしまった日──
そんなとき、自分を責めていませんか?
「私が悪いのかな」
「またダメだった」
「ちゃんとできない私は、価値がないんじゃないか」
そんなふうに、心の中で自分にダメ出しをし続けていると、知らないうちに、自分へのストロークがどんどん枯れていってしまいます。
でも、本当に必要なのは「叱ること」じゃなくて、「寄り添うこと」じゃないでしょうか。
──そうだよね、しんどかったんだよね。
──でも、ちゃんと頑張ってたよ。
──よくやってるよ。
そんな言葉を、自分のいちばん近くにいる“あなた自身”が、そっと差し出してあげてほしいのです。
私はOK、あなたもOK
私もあなたもOK =理想
私はOK、あなたはOKではない = ③見せかけの援助タイプ ④威張るボスタイプ
私はOKではない、あなたはOK = ①無力を装うタイプ 何もしないパターン
私もあなたもOKではない = ②ガキタイプ

ストロークを健全にやりとりできる関係とは、「私はOK、あなたもOK」という立ち位置から生まれます。
自分を信じて、自分の価値を認めること。
相手のことも、同じように尊重すること。
この対等なまなざしこそが、ストロークの循環を生み、人と人とをあたたかくつなぐ土台になります。
もし今、あなたが人との関係で悩んでいたり、ストロークの壺がカラカラに感じるとしたら…
まずは、自分の中にある「私はOK」という感覚を取り戻すことから。
そして少しずつ「あなたもOK」と思える人間関係を増やしていけば、
心はきっと、あたたかく満たされていきます。
これで、「不安を軽減、心を満たすストロークライフ」シリーズは終わりです。
皆様の不安がほんの少しでも軽減しそうだと希望がみえたのなら、とても嬉しいです。
ありがとうございました(*^_^*)