「引き寄せの法則」と「量子論」って、どこか似ていると思いませんか?
私たちの「意識」が、もしかしたら現実に影響しているかもしれない…。
今回はそんな視点から、スピリチュアルな世界を科学で読み解くヒントとして、量子論の基本をやさしく解説します。
難しい数式や専門知識は使いません。
イメージをつかみながら、一緒に「仮想世界の仕組み」をのぞいていきましょう。
量子の世界とは?
マクロとは違う、ミクロの不思議な法則
私たちが普段目にしている日常(マクロの世界)では、
- モノは「そこにある」
- 時間は「決まった順番で流れていく」
のが当たり前です。
でも、量子(ミクロ)の世界では、まったく違うルールが支配しています。
たとえば──
- 粒子なのに波のように振る舞う(波動と粒子の二重性)
- 観測するまでは複数の状態が共存している(重ね合わせ)
- 観測することで、はじめて“確定”する
という、私たちの常識をくつがえすような現象が起きているのです。
量子とはなにか?
量子とは、
「粒子」と「波」の性質をあわせ持った、とても小さな単位のこと。
たとえば、
- 原子を構成する電子、中性子、陽子
- 光を粒子として見たときの光子(フォトン)
- ニュートリノやクォークといった素粒子
これらすべてが「量子」と呼ばれます。
量子たちは、
「まだ粒にもなっていない、無数の可能性の波」として存在していて、誰かが観測した瞬間に、はじめて「粒(確定した現実)」になるのです。
ミクロとマクロの違い
ミクロの世界(量子) | マクロの世界(私たちの日常) | |
---|---|---|
振る舞い | 粒子であり、波でもある(二重性) | 粒子として存在(波には見えない) |
状態 | 複数の可能性を同時に持つ(重ね合わせ) | 1つのはっきりした状態しかない |
確定の仕方 | 観測されるまで確定しない | 常に確定して存在している |
つまり──
量子の世界では、「まだ起こっていない無数の未来」が存在し、マクロの世界では、「そのうちのひとつだけ」が現実になる、ということ。
二重スリット実験──「観測」が現実を変える?
量子の世界の不思議さを語るうえで、避けて通れないのが「二重スリット実験」です。
この実験は、「観測する」という行為が、どうやら現実のあり方そのものに影響を与えるらしい──という驚くべき現象を示しています。
順番に、見ていきましょう。
二重スリット実験とは?
実験の仕組みはシンプルです。
壁に2つの細いスリット(すき間)を開けて、その前から電子(または光の粒=光子)を飛ばします。
観測しないで電子を飛ばすと、電子たちは2つのスリットを同時に通り、波が干渉し合うような模様(干渉縞)をスクリーン上に描きます。
これは、電子が波のように振る舞ったことを意味します。
しかし──
どちらのスリットを通ったかを観測すると、
電子は波のような干渉をやめ、粒としての振る舞いを見せるのです。
つまり、
観測するかしないかによって、電子のふるまいそのものが変わってしまうのです。

観測すると現実が変わる、とはどういうこと?
この結果が示唆しているのは、
「観測=意識を向けること」が、量子のふるまいを確定させる
という、にわかには信じがたい事実です。
通常、物理現象は、私たちが見ていようがいまいが「あるがまま」起こっていると思いがちですが、
二重スリット実験は、
「見た瞬間に、その結果が変わる」という、奇妙な可能性を私たちに突きつけました。
スピリチュアル的に見ると…
スピリチュアルではよく、
「あなたが意識を向けたものが現実化する」
「信じた未来が引き寄せられる」
と言われます。
量子の世界でも、
- 可能性は「波」の状態で存在している
- 観測(意識を向ける)ことで、初めて「粒=現実」として確定する
──というふうに考えられています。
このため、
スピリチュアルで語られる「意図の力」「引き寄せ」と、量子論の考え方には、どこか共通するものが感じられるのです。
「観測」の正体とは?
では、ここで気になるのは、「観測」とは一体なにを指すのか?ということです。
この実験における「観測」とは、人間がじっと目で見ることではありません。
観測器が電子の通過を確認するために光を使ったり、電子との相互作用を介して情報を得てるということです。
すると、電子の波動性が失われ、粒子的な動きに変化するのです。
この現象は、観測器がミクロな量子に影響を与え、波動関数の崩壊を引き起こすことを示します。
つまり、あいまいな状態から確定するということです。
あくまで、ミクロの世界にマクロな影響(=痕跡)が加わることで、「波」が「粒」に収束してしまうのです。
人間の「意識」が直接影響したわけではないということになります。
人間の意識は関係ないのか?
ここでスピリチュアル界では、「いや、やっぱり人間の意識も関係してる!」という議論がよく起こります。
実際、
イタリアの大学やアメリカのノエティック研究所(ディーン・レイディン氏)による研究では、
観測器のそばで「右を通れ」と念じたところ、電子の通過確率に影響を与えた──という報告もあります。
しかし、こういった研究はまだ科学的に確定されたものではなく、再現性が十分にあるとは言えません。
なので現段階では、
- 科学的には「観測装置の影響が中心」
- けれどスピリチュアル的には「意識が影響しているかもしれない」という仮説も残る
──という、ちょっと中間的な立場が妥当だと感じます。
「信じるか信じないかは、あなた次第!」
二重スリット実験を知ると、
現実は固定された絶対のものではなく、自分で選べるものだったのかもしれません。
そんな気がしてきませんか。
科学が証明できないからといって、すべてを否定していては、可能性まで否定してしまいます。
「意識が現実を選んでいるかもしれない」──
そんな世界観を、ひとつの仮説として心に置いてみる。
それが、スピリチュアルな現実創造を楽しむコツなのかもしれません。
現実は選べる
現実は「無数の可能性の雲」から始まる
ミクロの世界では、粒子は「ここにいる」という確かな場所を持たず、雲のように広がった存在であると考えられています。
たとえば、電子は、原子核のまわりを軌道を描いて回っているわけではなく、

「電子雲」と呼ばれる確率的な存在として、広がっています。

電子は原子核のまわりを雲のようにおおっている。
雲は多数の電子でできているのではなく、一つの電子がさまざまな位置に共存していることを表現したもの。”
(引用元:Newton別冊「みるみる理解できる量子論」)
つまり、
観測されるまでは、電子は「どこかにいるかもしれない」という可能性の波として存在しています。
これは、私たちの現実にも似ています。
「未来」は、確定しているものではなく、
無数の可能性の中に、まだ漂っているだけかもしれない──。
「観測すること」で、ひとつが確定する
量子の世界では、観測された瞬間に、粒子は波のような広がりを失い、ひとつの位置に確定します。
私たちが「これが現実だ」と認識する瞬間も、もしかするとこれに似た仕組みなのかもしれません。
- 「この未来がいい」と信じる
- 「こうなる」と意図する
あらかじめ決まった未来ではなく、自ら選びとった現実かもしれません。
波動関数とは?──確率の“波”を表す数式
この「どこに存在するか分からない」粒子の状態を、数学的に表現したのが「波動関数」です。
波動関数は、
「どこにその粒子がいる可能性が高いか」を示す、いわば確率の波のようなもの。
例えば、あなたは、部屋の中で鍵を失くしてしまったとします。
部屋のどこかには、鍵があるはずです。
そこで、部屋の中を捜し始めます。
最初は、部屋のどこにあるか、まったくわかりません。
部屋全体に鍵が落ちている可能性があります。
でも探していくと、探し終えたところは可能性から排除されていくので、鍵が落ちてる場所は絞られていきます。
このとき、鍵が落ちている可能性のある場所が、波動関数のようなものなんです。
波動関数は、鍵の存在の可能性を示しているんですね。

鍵が落ちている可能性が高い場所(まだ探していないところ)は、波動関数が大きくなっている場所。
逆に、鍵が落ちている可能性が低い場所(探し終わった場所)は、波動関数が小さくなっている場所です。
波動関数は、量子の粒子がどのような状態にあるか、そして将来的にどのように振る舞うかを予測するものです。
つまり、ミクロな世界での量子の波の振幅を計算して、発見確率を出すものなのです。
波動関数は、確率に“収束”する
そして、観測が行われると波動関数は特定の位置に収束し、その粒子は「ここにいる」と確定されます。
補足:シュレーディンガー方程式とは?
波動関数を求めるための計算式が「シュレーディンガー方程式」です。
これを使って、粒子がどこに現れる可能性が高いかを予測するのが量子論の基本です。
量子とは小さなかたまり?
量子の世界では、粒子が滑らかに連続して変化するのではなく、
「ひとつ」「ふたつ」といった単位で飛び飛びに存在すると考えられています。
これは、量子がエネルギーや特定の物理的性質の最小単位だからです。
量子の離散性
- コップに水を注げば、重さはなめらかに増えていきます。→ これは連続(アナログ)な世界
- でも、10gずつの氷のかたまりをひとつずつ入れたら…?
→ 重さのグラフは「カクッ、カクッ」と階段状になります。これが離散(デジタル)な世界の感覚です。

つまり、マクロな世界では変化は滑らかですが、
量子の世界ではすべてが「カチッ」とした“単位”で存在している──
それが「量子の離散性」です。
固定された現実ではない
二重スリット実験が示したように、
現実は、もともと固定された絶対のものではなく、選び取るものだったのかもしれません。
これは、
スピリチュアルでよく語られる「波動の共鳴」にもつながりますし、「トランサーフィン」という現実創造理論にも共通しています。
※トランサーフィンでは、「無数の可能性の空間」が存在し、
私たちはそこから意識で現実を選び取っている、と考えられています。
詳しく知りたい方はこちら
もちろん、これらは科学的に確定した事実ではありません。
ですが、
スピリチュアルの世界でも、量子論の世界でも、「意識が現実に関与しているかもしれない」という仮説は確かに存在しています。
──信じるか信じないかは、あなた次第。
でももし、あなたが少しでも
「自分の意識が未来を選んでいるかもしれない」と感じたなら──
これから体験する現実も、
ほんの少しずつ、優しく変わりはじめるかもしれません。
仮想世界へつながる視点
仮想世界という可能性
ここまで見てきたように、量子論が示すミクロの世界は、
- 可能性が重なり合っていて
- 観測(意識)が確定をもたらす
という、非常に不思議な性質を持っています。
もしこの性質が、私たちの「日常の現実」にもあてはまるとしたら──
現実は、はじめから「完全に存在しているもの」ではなく、意識によって形作られる”仮想世界”のようなものだと言えるかもしれません。
プログラミングされた世界?
最近では、物理学者やテクノロジーの世界でも「この宇宙は高度なシミュレーションかもしれない」という仮説(シミュレーション仮説)が真面目に議論されています。
まだ確定した証拠はありませんが、量子論の奇妙なふるまいを見ていると、「すべてがあらかじめ決まった物質世界」という考え方だけでは説明しきれないものがあるのは確かです。
自分が「プレイヤー」だとしたら
もし、
この世界が何らかの仮想現実であり、あなたがそこに生まれたプレイヤーだとしたら──
✅ 未来は絶対に決まっていない
✅ あなたの意識が選んだ現実に進んでいく
✅ 意図次第で、経験できる世界が変わる
そんな世界観が、ぐっとリアルに感じられるかもしれません。
ゲームのプレイヤーだとしたらという視点で記事を書いています。良ければこちらも合わせて読んでみてください。
最後に
この記事では、量子論とスピリチュアル、そして仮想世界の考え方が
どのように重なり合っているかを見てきました。
すべてを信じる必要はありません。
でももし、心が少しでもワクワクしたなら──
その感覚を大切にしてほしいと思います。
それに、この世界が意識で選べる場所だとしたら──
今よりもっと、自由に、楽しく生きられるかもしれませんね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
※「信じるか信じないかはあなた次第」という言葉は、都市伝説でおなじみの関暁夫さんが使うことで知られています。
この記事の内容にぴったりなので、あえて使わせてもらいました。