こんにちは、みのりです。
こちらの記事は、栗本啓司著 「人間脳の根っこを育てる」を参考にしています。
感覚過敏と低エネルギーの原因は“神経発達の抜け” ー 取り戻せる体の力
この本は発達障害支援を目的とした内容ですが、大人のHSP(Highly Sensitive Person)やSAD(Social Anxiety Disorder)を抱える私たちにも、自分を支えるための多くのヒントが詰まっていると感じ、取り上げました。
発達障害を持つ方の多くが原始反射を保持していると言われていますが、感覚過敏を抱える私たちにとっても、この問題は無関係ではありません。
著者は、発達障害について「心の問題ではなく、神経発達の障害」であり、原因は神経発達過程での「抜け」にあると指摘しています。
そして、「抜けた過程は、いつでも取り戻せる」と力強く断言されています。
私自身、体力をつけたくてもその体力がない状況から「原始反射」というテーマにたどり着きました。
この本の出版社の代表も次のように述べています。
「発達障害の人はコミュニケーション能力云々以前に身体が不便そうだ」と感じてきました。
それが、おそらく社会参加を阻んでいる大きな原因になっているだろうと考えました。
週5日どこかに通うだけのエネルギーがないために居場所が大幅に制限されている人に数多く出会ったためです。
この言葉には、感覚過敏や低エネルギーに悩む私たちにも通じるものがあると思います。
発達の凸凹(でこぼこ)を抱えているということは、神経発達に「抜け」があることを意味します。
この「抜け」とは、言語能力を獲得する前の段階で起きたものであり、つまり言語能力以前の領域に問題があると考えられます。
そのため、身体に直接アプローチする方法が効果的とされています。
原始反射は本来、使い切る(その発達段階に必要な動きをやりきる)ことで次の発達段階へと移行していくものです。
しかし、このプロセスが途中で止まってしまうと、発達の「抜け」が生じてしまいます。
そのため、胎児からの発達過程を順を追ってやり直すような取り組みを行い、抜けを埋めていくことで、やりたいことができる体を目指すことが可能になります。
では、「ヌケ」が生じる言語能力以前の領域とはどの部分でしょうか?
他の脊髄動物と違い、人間の特徴は二足歩行できることです。
二足歩行できることで、思考を現実化させることができる段階にいくことが出来るのです。
つまり次の図(胎児から赤ちゃんの運動発達)でいう
ローリングからつかまり立ちに至る過程が該当します。
著者は、「きちんと二足歩行ができること」を目指すことを提唱しています。
発達に凹凸のある人は、定型発達者よりも「右、左」と意識的に声をかけて足を動かすなど、歩行に余計な脳のリソースを割いている場合があります。
私たち、HSPやSADの人もまた、歩行だけでエネルギーを消耗しやすく、社会的な活動に必要なエネルギーが足りなくなってしまうのかもしれません。


では、きちんと二足歩行ができているかどうかをどう判断するのでしょうか?
そのポイントの一つが「片足立ち」です。二足歩行は、片足立ちの繰り返しによって成り立っているため、しっかりと片足立ちができることが重要です。
- 発達には、段階があり、土台から積み上げていくことで、社会参加、コミュニケーションする力がついてくる。
- 発達障害(感覚過敏etc…)は、神経発達していく中での「ヌケ」であり、大人になってからでも取り戻せる。
- その「ヌケ」は言語能力(つかまり立ち)以前のものである。
思考を現実化(やりたいことができる身体になる)
運動に挑戦する際に感じる挫折の原因
やりたいことができる身体って、どんな姿をイメージしますか?
「やりたいことができる身体」とは、単に体力をつけることだけではありません。
多くの人が運動に挑戦する際に感じる挫折の原因は、身体の「ヌケ」がある状態で無理に動こうとすることです。
運動が苦手な人は、身体が固まりやすく、動きがぎこちなくなることが多いのです。
ですから、身体を「鍛える」ことに焦点を当てる前に、まずは身体を弛めることに意識を向ける方が効果的です。
著者は、やりたいことができる身体=筋緊張をコントロールできる身体だと述べています。
つまり、「思考を身体で現実化する」とは、自分が思い描いた通りに身体を動かせる状態を作ることです。
これは、単に筋肉を鍛えることではなく、自分の目的に沿った動きが自然にできる身体を育てることを意味します。
身体がしなやかで柔軟に反応できるようになれば、日常生活で必要な動きや、やりたいことを達成するための動作がスムーズにできるようになります。
要するに、身体をコントロールできることが、思考を現実化するための鍵となるのです。
きちんと疲れると安眠につながる
進化と発達に沿った動きを行うことは、安眠や身体のコンディショニングに重要な役割を果たします。
このアプローチでは、身体をただ弛めるのではなく、「身体を使い切る」ことで、結果的に弛む力を育てることを目指します。
特に、原始反射が残存している場合、発達段階に応じた動きを通じて反射を統合し、スムーズな緊張と弛緩のバランスを取り戻すことが鍵となります。
原始反射が統合されないままでは、体の動きが部分的で不完全になり、形だけをまねたり、無理に動かそうとする方法では本来の目的は達成できません。
そのため、個々の発達段階に合わせた適切な動きを行い、身体を使い切ることで、反射を統合し、自然な弛みを引き出します。
このプロセスを通じて、身体が本来持つ自己調整力を高め、安定したコンディションを保つとともに、質の良い休息や回復を促進するのです。
身体を使い切ることで、弛み安眠につながるイメージをするには、手をぐーにして力を入れます。
しっかりと握りしめると、弛めたくなりパーにしたくなりませんか?
繰り返しになりますが、発達に応じた動きを十分にすることが、良い疲れになり安眠できるようになるのです。

- 運動に挑戦する際に感じる挫折の原因は、身体の「ヌケ」がある状態で無理に動こうとするから。
- 「思考を身体で現実化する」とは、自分が思い描いた通りに身体を動かせる状態を作ること。
これは、単に筋肉を鍛えることではなく、自分の目的に沿った動きが自然にできる身体を育てること。 - 進化と発達に沿った動きをすることで、安眠につながる。
- きちんと疲れてきちんと休む、つまり発達段階に応じた動きで身体を使い切ることで、弛める働きが育つ
個々の発達段階に合わせた適切な動きとは、何をしたらいいのでしょうか。
これは次の記事で取り上げていますので、そちらを読んでくださいね。