前の記事でもお話しましたが、私は長い間、自分の生き辛さがメンタル面から来ていると考えていました。
そして、メンタルが整えば、自然に運動する気力や体力も湧いてくるのだろうと思っていました。
しかし、実際に心が落ち着いても、どうしても体が動かず、走ることはおろか、ストレッチもなかなかできない状態でした。
還暦も近づいてきた今、ハイキングに挑戦したり、もっと自由に人生を楽しみたい気持ちが強くなっています。
そんな中、幸運にも「原始反射残存」という概念に出会い、新しい可能性に気づきました。
そこで、まず土台として呼吸を整え、体と心に安定を取り戻すことの重要性に焦点を当ててみたいと思います。呼吸を意識的に深めることで、身体だけでなく心も穏やかさを感じられることが分かってきました。
なぜ呼吸から始めるのか
発達の土台
下記の図は、「発達のピラミッド」です。
私たちの身体と心の健康は、まるでピラミッドのように土台がしっかりしていることで安定します。
特に「呼吸」はその最も根本的な土台です。
呼吸が整うと、自律神経のバランスが安定し、体全体のエネルギーが増し、不安感や緊張が和らぐことが期待できます。
呼吸が不安定だと、感覚過敏やストレス反応が強まりやすくなります。
呼吸の問題は、排泄やアレルギーのにも関係しているそうです。
呼吸は私たちの生命の基本であり、体や心を安定させるための「土台」と言えます。
私は、昔、ある責任ある役を任され、常に不安で眠れない時期がありました。
そのとき、「呼吸が大事」だと言われましたが、とても受け入れがたかったです。
あまりにも余裕がなくて、吸ったり吐いたりすることで、何が変わるんだと思ったからです。
ある程度余裕が出来ると、なぜ楽になるのか、理解しようと思うかもしれませんが、追い詰められたときは難しいと感じます。
そんな時は、誰かに相談する、カウンセリングを受ける、など、併用してくださいね。
呼吸は、普段していることですよね。
あえて、「深く呼吸しましょう」と言われたら、どうですか?
きっと、力が入ってしまうのではないでしょうか?
浅い呼吸が癖になっていたり、すぐに息をつめてしまうので苦しくなったり不安になったりすることが多いです。
ましてや、神経が問題で呼吸がうまくできない場合、そう簡単にできないですよね。
これには、胎児のときの原始反射「恐怖麻痺反射」が残っているのではとされています。
首と呼吸
呼吸の問題は、首と関係しています。
というのも、呼吸を助ける横隔神経は、頚髄から伸びているんですね。(右図黄色の部分)
横隔膜は、呼吸筋のひとつで、この筋肉を動かすことで呼吸をしています。
なので、体が固まっていると、首も固くなり、うまく横隔膜が動かせない→呼吸がうまくできないのです。
逆もしかりで、横隔膜が動くようになると、首も動かしやすくなるそうです。
呼吸の仕方
ブレインジムのベリーブリージング(Belly Breathing)は、呼吸を整えるためのエクササイズの一つとして有名です。
このエクササイズは、特に横隔膜を意識して腹式呼吸を行うことに焦点を当てています。
深い呼吸を通じて、身体全体の緊張をほぐし、リラックスを促進し、神経系のバランスを整える効果があります。
■トレーニング法
出典元:ビジネスマンのためのブレインジム/脳の筋トレ(ゲイル・E. デニッソン )
- 鼻から息を吸い、ゆっくり息をはいてはじめに肺をきれいにする。
吐くときには唇をすぼめて息をふっふっと短く吐き続けて出す。
この後は、息を吐くときも鼻から吐く。- 手で下腹部に触れ、吸っているときに手が持ち上がり、吐くとお腹がすぼんで下がっていきます。
- 3つ数えながら息を吸い、息を止めて3つ数え、3つ数えるうちに吐き出し、息を止めて3つ数える。これを繰り返す。
- リズムを変えて、2つ数えながら息を吸い、4つ数えるうちに吐く。息は止めない。
- 理想は、リズミカルな呼吸が自動的に行われていること。
- 物を持ち上げる動作、蹴る動作、押す動作のときには、その動作をしながら息を吐くようにする。
他にも、日常生活で簡単に取り入れられる呼吸法をご紹介します。
深呼吸
座りながらでも立ちながらでも、リラックスできる姿勢で行ってください
呼吸が深まることで、体と心が徐々に落ち着いていきます。
4-7-8呼吸法
- 4秒かけてゆっくりと息を吸い、7秒息を止めます。
- 8秒かけてゆっくり息を吐き出します。
この呼吸法を数回繰り返すことで、体がリラックスし、気持ちが安らぐのを感じるでしょう。
呼吸が心と体に与える影響
- 心の安定
呼吸を深く整えると、副交感神経が優位になり、体がリラックスした状態に導かれます。
これにより、気持ちの安定が図られ、不安感や緊張感が軽減されます。 - 身体のバランス
深くゆったりとした呼吸は、酸素をしっかりと体中に届け、エネルギーを高めます。
筋肉の緊張が和らぐことで、体が自然に動きやすくなり、日常生活での活動が楽になります。 - 感覚過敏の軽減
呼吸が整うと、過敏な感覚への反応が穏やかになり、外部刺激への敏感さが和らぐことが期待されます。
呼吸は発達の土台、呼吸からはじめる
深呼吸の仕方を覚える!
お腹が膨らんだり凹んだりしているかが大事
次回の恐怖麻痺反射の統合で、呼吸を使うエクササイズを紹介しています。