HSPやSADを抱える人は、週5日働けるだけの体力やエネルギーを維持するのが難しいと感じる人が多いのではないっでしょうか。
その原因のひとつに、神経発達の「抜け」があるかもしれません。
原始反射の統合を通じて、胎児期から二足歩行まで、私たちの体が本来持つ動きと機能を取り戻すことで、心と体をより健康に保つ方法をご紹介します。
日常に取り入れられるシンプルな動きです。
体力とバランスを取り戻し、やりたいことができる身体になりましょう。
成長段階に合わせ、発達に応じた動きを紹介していますが、基本は、呼吸と背骨をゆるめることです。
これを意識して生活するだけで、すこしずつ変わっていくと思います。
ヨガポーズを紹介していますが、他にもっと効果的なものがあるときはコメントからでも教えていただければ、幸いです。
※おもに、この本↓の内容を参考にさせていただきました。
胎児からやり直す

上の図は、「進化のピラミッド」と「発達のピラミッド」を並べたものです。
ピラミッドの最上位には「人間」や「成人」といった姿が描かれています。
しかし、この段階に至るまでには、進化や発達の過程が積み重なっています。
たとえば、人間の特徴である二足歩行や言語能力は、それまでの多くの発達や進化の土台の上に成り立っています。
そのため、生き辛さを抱える人の場合、この図でグレーの枠で示した「言語能力獲得以前」の動きやプロセスを見直すことが、とても重要になるのです。

では、胎児からみていきましょう。
胎児のお仕事【委ねる】
胎児期に由来する「恐怖麻痺反射」が残存している場合、過敏性や過度な不安が生じ、生きづらさと結びつくことがあります。
※恐怖麻痺反射については、こちらでも解説しています↓
また、この時期に育まれる「委ねる感覚」は、他者との信頼関係を築く基盤となります。
この感覚が十分に育っているかどうかが、その後の人間関係に大きな影響を与えます。
「委ねる」感覚を取り戻すためのワークとしては、以下のような方法が有効です
- お風呂での深呼吸で身体をゆるめる。
- 羊水の中でぷかぷかと浮かんでいた胎児の頃を思い出すように、海やプールで身を任せる体験をする。
- 背中を弛めることが効果的なので、ころころと転がるだけでもOK
- 「トラストフォール」: パートナーに背中を向けて倒れ込み、相手に受け止めてもらう動きを通じて、他者への信頼感や自分を委ねる感覚を育てる。
ヨガの、胎児のポーズや膝抱えのポーズもリラックスで効果的
膝かかえポーズのまま、ゴロンゴロンとするのも、背中に適度な刺激を与えるので、良さそう。

首すわり【呼吸と足脚】
呼吸の発達は、首の成長と密接に結びついています。
というのも、呼吸を助ける横隔神経は、頚髄から伸びているんですね。(右図黄色の部分)
横隔膜は、呼吸筋のひとつで、この筋肉を動かすことで呼吸をしています。
なので、体が固まっていると、首も固くなり、うまく横隔膜が動かせない→呼吸がうまくできないのです。
逆もしかりで、横隔膜が動くようになると、首も動かしやすくなるそうです。

※呼吸の説明はコチラの記事でより詳しくかいています↓
著者によれば、首を育てるためには「足の動き」が特に重要としています。
それは、横隔膜と、大腰筋がつながっているため、足脚の動きをすると、横隔膜の固さもとれスムーズになるからです。

首が育つワークを紹介します
- ①図のように、床にお尻を置き、ボールを足脚で渡しあう
- ②図のように、片方が腕でわっかをつくり、もう片方の人は足でボールを投げ、わっかのなかに入れる
- ③図のように、床に寝そべり、ボールや紙風船などを真ん中におき、吹きあう【息風船】

ヨガでは、猫と牛のポーズやブリッジポーズが首と身体の連動を促すので良い。
猫と牛のポーズは、背中を丸めたり、伸ばしたりどの段階でも効果的。

寝返り【背骨のねじり】
首が座ると、次は寝返りの段階に進みます。
寝返りは、腰や背骨を自由に動かし、体をねじることで重心を調整する大切なプロセスです。
この動きは脊髄の成長や背骨の柔軟性を促し、体全体のバランス感覚を育てます。
実は、立っているときも私たちの体は微細な揺らぎを持ちながらバランスを保っています。
寝返りもまた、この揺らぎを体の中で練習し、洗練する役割を果たします。
これにより、筋肉の緊張を緩め、睡眠の質を高めると同時に、身体の安定性を向上させるのです。
効果的な運動として金魚体操を紹介します。
金魚運動は、平らな床に仰向けになり、金魚のように身体を左右に揺らす運動です。
【一人でするとき】
両足をそろえてあお向けになる。
両手は頭の下で組みます。
足は足首から先を直角に立てます。
この体勢で、すばやく左右に身体を揺らします。
【ペアのとき】
双方とも身体をリラックスさせる。
動かす方(補助)は、足首を持ち、腕ではなく腰から動かす。
もう片方は、リラックスして仰向けになる。
揺らされるままになる。
右図は「人間脳の根っこを育てる」より


身体をねじる動きのヨガポーズが効果的
こんな健康器具もあります。
金魚運動は、便秘やダイエットなどにも効果があるそうです。
ずりばい【爬虫類】
次の発達段階は「ずりばい」です。
ずりばいは、地面に体を預けながら進む動きで、両生類や爬虫類のように、体全体を使って地面と密接に接触します。
この動きは、赤ちゃんの体幹や四肢の筋肉を発達させるだけでなく、神経系にも重要な刺激を与えます。
地べたに身体を委ねることで、触覚が強く刺激され、皮膚と脳の連携が強化されます。

この過程で、「触れる」「触れられる」という感覚への抵抗が減り、将来的に接触を嫌がる傾向を和らげる効果があります。
また、ずりばいは首や背中の緊張を解放する役割も果たします。
地面に近い位置で動くことで、首や肩周りの筋肉がリラックスし、無理なく強化されていきます。
この動きを飛ばしてしまうと、首や肩の緊張が残りやすく、姿勢や動きのぎこちなさにつながる場合があります。
さらに、ずりばいは左右対称の動き(例えば、右手と左足を同時に動かす)を通じて脳幹の機能を刺激します。
この左右交互の動作が脳の両側をつなぐ神経回路を鍛え、体全体の動きを統合する土台を築きます。
ずりばいをじっくり経験することは、身体を地面に預ける感覚を育て、触覚や動作の発達を促進する重要なステップです。
この時期は、全身で地面を感じることが発達に大事
- 首が育つワーク③で紹介した【息相撲】は、地べたに接触するので、効果的。
- 匍匐前進
- ヨガでは、スーパーマンポーズ、ワニの動き

はいはい
はいはいは、脊椎動物としての動きの発達に欠かせないプロセスです。
この段階では、背骨を通じて手足の協調運動が育まれ、手首や足首、股関節の動きが発達します。
これにより、身体全体の連動性が高まり、さらに呼吸器の発達も促されます。
はいはいの動きで重要なのは、左右の手足を交互に動かすことです。
この協調的な動きがスムーズにできない場合、はいはいを取り入れた動きの再学習が役立つことがあります。

はいはいの過程を飛ばしてしまうと、二足歩行が不安定になりやすいと言われています。
そのため、二足歩行の基盤を整えるためにも、はいはいの動きを見直すことは非常に効果的です。
交差性の動きとバランスを養う動き
- 四つん這いポーズ
- 膝歩き
おすわり
おすわりは、体幹の安定性やバランス感覚、さらには神経系の発達に大きな役割を果たします。
おすわりをすることで、体幹の筋肉を効果的に使えるようになり、姿勢を自分で保てるようになります。

さらに、おすわりができるようになると、赤ちゃんは両手を自由に使えるようになります。
これにより、周囲の物を触ったり操作したりすることで、視覚や触覚を含む感覚の統合が進み、脳の発達が促されます。
また、座る姿勢を保つ際には、前庭系と呼ばれる平衡感覚を司るシステムが活性化し、姿勢を維持しながら目や手を使う能力が向上します。このプロセスは、体と脳の協調性を高め、運動スキルや注意力の発達に寄与します。
背骨の柔軟性を高め、体幹を整える動きが効果的
- はいはい、後ろはいはい
- 股関節開き
- 腰ひねり座り

つかまり立ち
つかまり立ちは、赤ちゃんが重心を足に乗せ、支えを利用して立つことで、運動機能や神経系の発達を促す重要なステップです。

つかまり立ちは、足裏の感覚や筋力、関節の調整を司る固有受容感覚を活性化し、バランスを保ちながら姿勢を安定させる能力を育みます。
また、支えをつかむ動作は手や腕の筋力も強化し、全身の協調運動を発達させます。
つかまり立ちを通じて、歩行や自立した動きへの基盤が形成されると同時に、視野が広がり探索意欲も高まります。
足裏に体幹を全部のせる動き

足裏に体幹を全部のせる動き。
二本足でしっかり立つことが効果的
- 胡坐でも正座でもいいので、座った状態から、つかまらずに立ち上がる練習
- 山のポーズ
- 木のポーズ

最近、原始反射が残ってる人が増えていることと、発達障害が増えていることと関係があるのではと言われているようです。
私は、専門家ではないので、難しいことはわからないけど、原始反射のことを学んで、呼吸と姿勢の重要性を知りました。
姿勢は背筋を伸ばすというように、背骨に関係します。
忙しい日常のなかでも、姿勢を正すことで、前向きになれること間違いなし!
皆様の、健康とより幸せを感じられるよう祈っています。