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HSP向けストロークをためる方法(TAストローク#4)

黄色の花の鉢植えに水をあげているイラスト画像 試練の乗り越え方

ここまで3回にわたって、ストロークの壺について解説してきました。

・第1回:HSPの心が枯れやすい仕組み

・第2回:自分で自分を枯らすセルフディスカウント

・第3回:受け取れない心をほぐす土台づくり

最終回の今回は、壺を満たす具体的な方法を紹介します。
「理屈はわかった。じゃあ、具体的にどうすればいいの?」 そんな声に応える、実践編です。

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壺を満たす3つの方法

ストロークの壺を満たすには、大きく分けて3つの方法があります。

1. 自分で自分にストロークをする

他人に頼らなくても、自分で自分を満たすことができます。
これが一番コントロールしやすく、いつでもできる方法です。

2. 周囲からのストロークを素直に受け取る

「そんなことないです」と否定せず、
「ありがとう」と受け止める。
受け取る力を育てることで、壺に溜まりやすくなります。

3. 足りなくなったら自分でもらいにいく

信頼できる人に「聞いてほしい」「話したいことがある」と伝える。
求めることは、わがままではありません。

※これは、非常に重要です。
私は派遣スタッフとして、様々な職場で働いてきました。
職場によって、空気が違います。
自分と合わないとき、自分が悪いのではなく、職場の空気と合わないだけ、これに重きをおくことの大切さを私は学びました。
同じ価値観、空気感をもつ人に慰めてもらいましょう!今なら、頼もしい相談相手AIもいます。


ストロークの壺

交流分析、心を満たすストロークの壺の仕組み

ターゲットストロークを知る

人それぞれ、もらうと特に嬉しいストロークがあります。
同じ「すごいね」という言葉でも、人によって響き方が違う。
ある人は「優しいね」と言われると嬉しいし、別の人は「頼りになるね」と言われると嬉しい。

この、もらうと特に心が満たされるストロークを「ターゲットストローク」と呼びます。

ターゲットストロークを知っておくと、効率よく壺を満たせます。
少ないエネルギーで、大きな効果が得られる。

ターゲットストロークの見つけ方

本のイラスト、飾り線

Step 1:自分のいいところを書き出す(10分)

自分自身のいいところ、好きなところ、得意なこと、誇らしいところ。
気持ちのおもむくままに、制限時間10分で書き出してください。

どんな内容でもOK。
「明るい」「話を聞くのが上手」「細かいことに気づける」「料理が得意」など、何でも構いません。

Step 2:Best 5を選ぶ

書き出した中から、自分が特に気に入っているもの、しっくりくるものを5つ選びます。

選ぶときは、声に出して読んでみてください

書いているときは「思考」を使っていますが、声に出すと「音声」という別の形になります。
すると、思考だけでは気づかなかった感覚が見えてくることがあります。

Step 3:Best 1を決める

ここからは、できれば信頼できる人に協力してもらいます。

やり方:
1. 選んだ5つのいいところを、一つずつ自分で読み上げる  
例:「私は明るい性格だ」
2. 相手に、自分の名前を入れて返してもらう  
例:「はい、〇〇さんは明るい性格です」
3. 返してもらったとき、自分の心がどう反応するかをじっくり感じる
4. これを3回繰り返し、5つすべてに行う

5つとも終わったら、一番心が震えたものを選んでください。 それが、あなたのターゲットストロークです。

ターゲットストロークとは何か

ターゲットストロークは、「今でもそうだと思っているけど、少し足りないと感じている自分」です。
だから、もらうととても嬉しい。

「やっぱりそうなんだ」と確認できて、どかっと壺にストロークが入る。

HSP向け補足:無理しなくていい

このワークは、信頼できる人の協力があると効果的です。
でも、人に頼むエネルギーがないときは、無理しなくていい
メンタルがとても弱っているときは、人と関わること自体が苦痛になります。
そんなときに無理にワークをやろうとして、心が折れてしまっては本末転倒。

今はそのタイミングじゃないのかもしれません。
Step 2まで(自分で書き出してBest 5を選ぶ)だけでも、十分価値があります。

ハートを受け取り笑顔の女性

自分にストロークを与えるスキル

他人に頼らず、自分で自分を満たす方法を紹介します。

自分を認める

あなたは、ひとりの赤ちゃんとして生まれ、たくさんのことを乗り越えて今日まで生きてきました。
苦しいことも、楽しいことも、辛いことも、嬉しいことも、悲しいことも。 精一杯、生き抜いてきた。 

そんな自分を、まず認めてあげてください。 

いいところも、良くないところも、全部まとめて認める。
完璧じゃなくていい。
そのままの自分を許す。
自分を、本当に心から大切な友人と同じように扱ってください。 

自分の親友に、自分がなる。 
親友なら、どんなことがあっても見捨てないはず。
自分にも、同じようにしてあげてください。

自分を褒める

自分の「いい」と思うところを、自分で褒める。
「我ながら、いい出来栄えだ」
「私もなかなかやるじゃん」
「今日も頑張った」
「細かいことに気づけるのは私の強みだ」

こうした声かけを、頭の中で自分に対してする。 
自分で自分にストロークを送り続ける状態を作るのです。
最初は違和感があるかもしれません。
「自分で自分を褒めるなんて、恥ずかしい」と思うかもしれません。
でも、これは習慣づけることで効果を発揮します

うまくいったことを思い出す

人間の脳は、失敗体験を深く刻み込むようにできています。

これは、狩猟時代に「危険を覚えておく」ことが生存に有利だったから。
だから、失敗したことはいつまでも覚えているのに、うまくいったことは忘れてしまいがち。

意識的に、うまくいったこと、できたことを思い出してください
「〇〇は失敗したけど、△△はできた」という場合、できた△△の方にフォーカスする。

これは、自信を失いかけたときの防波堤になります。

感謝されたことを思い出す

人から「ありがとう」と言われたことを思い出してください。
それだけで、自分の人生には意味がある。
誰かの役に立ったことがある。
無価値ではない。
感謝された記憶は、存在価値の証拠です。

大好きな人の顔を思い出す

心の中で、大好きな人と話をしてみてください。
一言二言でも構いません。

きっとその人は、ストロークをくれるはず。

なぜなら、人はストロークをくれる人を好きになるから

あなたが大好きな人は、あなたにストロークをくれた人。

だから心の中でその人と話すと、ストロークをもらえるのです。

相手にストロークを与えるスキル

自分の壺に余裕ができてきたら、相手にもストロークを与えてみましょう。

与えることで、相手からも返ってきやすくなります。
ストロークの好循環が生まれます。

笑顔

笑顔は、言葉を使わないストローク。
「あなたに危害は加えません」
「あなたのことを認めていますよ」
「あなたを受け入れていますよ」

そんなメッセージが、笑顔には込められています。
ストロークスキルの第一歩であり、最高のスキルです。

挨拶

挨拶は、最初のストローク交換。
「おはようございます」
「こんにちは」
「お疲れさまです」

余裕があれば、一言加えてみてください。

「今日も暑いですね」「お元気ですか」など。

このプラス一言が、さらなるストローク交換を促します。

話を「聴く」

話を聴くことは、とても大きなストローク。

ポイントは、「聞く」ではなく「聴く」こと。

「聞く」は、音が耳に入っている状態。
「聴く」は、意識とエネルギーを集中して聴くこと。
聴いている最中に、自分の頭の中でこんなことが起こっていませんか。

・自分の話をしたくなる
・相手の話を否定したくなる
・違うことを考え始める
・どう終わらせようか考える

これらが起こったら、「聴いていない」状態です。
相手に意識を集中し、自分のエネルギーを注ぎ込む。 それが「聴く」ということです。

共感する

共感は、「自分を受け止めてもらっている」と感じさせる最高のストロークです。

相手の感じている感情を、同じようにキャッチする。
「それは辛かったね」
「嬉しかったんだね」と、感情を受け止める。

注意点:共感と同情は違います。 
共感は、相手の感情を自分のことのように感じること。
同情は、相手と一体になって、感情の嵐に巻き込まれること。

同情してしまうと、相手の話をきちんと受け止めるスタンスからずれてしまいます。
共感しつつ、少し距離を保つ。 それが「聴く」ときの基本です。

具体的に褒める

褒めるときは、具体的に。

「あなたはいい人だ」より、「あなたの人に対する態度は素晴らしい」
「すごいね」より、「あなたは人の嫌がる仕事でもきちんとこなすから頼りになる」

具体的に褒められると、「そんな細かいところまで見てくれているんだ」と感じます。
自分を大切に扱われている存在として感じられる。

間違いやすいストローク

最後に、注意点をひとつ。 一見ストロークに見えるけれど、実はディスカウントになっている言葉があります。

例1「これはお前のために言ってるんだぞ。わかったら言う通りにしなさい」 → 相手のためと思っているようで、根底には「お前はダメだ」が含まれている。

例2「辛かったら会社を辞めてもいいのよ。まだ若いんだから。お父さんも働いてるし」 → 相手を思いやっているようで、根底には「あなたは一人前じゃない」「私がいなければあなたはダメ」というメッセージが含まれている。

ストロークを与えるときは、「私もOK、あなたもOK」の立ち位置にいるかどうかを確認してください。

上から目線になっていないか。
相手を低く見ていないか。
自分の満足のためになっていないか。

パステル調の水彩画にとりが2匹とんでる飾り線イラスト

まとめ:小さく始めて、少しずつ満たす

4回にわたって、HSPの視点からストロークについて解説してきました。 最後に、全体をまとめます。

第1回:なぜHSPの心は枯れやすいのか

・ストロークの壺が空になると、心は枯れる
・HSPは配慮上手だから「あげる」のは得意だが、「もらう」のは苦手
・踏みにじられても「自分が悪い」と思ってしまう

第2回:セルフディスカウントとネガティブスパイラル

・自分で自分を責めると、壺は空になる
・罪悪感を感じたら、スパイラルに入っているサイン
・ストロークノートを作って備えておく

第3回:受け取れない心をほぐす

・条件付き承認で育つと、無条件のストロークを受け取れない
・「私もOK、あなたもOK」の立ち位置を目指す
・自分の壺を満たしていいと、自分に許可を出す

第4回:壺を満たす具体的な方法

・ターゲットストロークを知ると、効率よく満たせる
・自分で自分にストロークを与えるスキル
・相手にストロークを与えるスキル

おわりに

HSPの配慮する力は、素晴らしい強みです。
でも、それは自分を後回しにしていい理由にはなりません。
傷ついて我慢していい理由にもなりません。

共感を求めることは、生きること。
自分の壺を満たすことは、自分を大切にすること。

完璧にやろうとしなくていい。 小さく始めて、少しずつ。

まずは、自分に許可を出すことから。

「共感されたい」と思っていい。
「わかってほしい」と求めていい。
もっと貪欲に、自分を満たしていい。 そこから、すべてが始まります。

参考文献

刀根健『ストロークライフのすすめ ―快適な人間関係を築く』
※この記事は、刀根健さんの著書をもとに、HSPの視点から再構成したものです。より詳しく学びたい方は、ぜひ原著をお読みください。