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HSPこそ、共感をもらおう(TAストローク#1)

温かな飲み物で手をあたためているーストロークをもらおうというサムネ 試練の乗り越え方

HSPは、人一倍よく気がつく。
相手の表情の変化、声のトーン、場の空気。
だから自然と配慮ができるし、「気が利くね」と言われることも多い。

でも、その配慮が当たり前のように扱われたりすることが続くと悲しくなりませんか。

丁寧に差し出した気遣いを、軽くあしらわれた経験。
勇気を出して「わかってほしい」と伝えたのに、「考えすぎ」と片付けられた経験。

それでも「自分が繊細すぎるのかも」と、傷ついた自分を責めてしまう。

HSPの心が枯れやすいのは、気づく力が高いからではありません。
 気持ちを汲み取られないことさえ「自分のせい」にしてしまうからです。

この記事では、交流分析の「ストローク」という概念を使って、HSPの心が枯れやすい仕組みを解説します。

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ストロークとは何か

交流分析(Transactional Analysis)という心理学に、「ストローク」という概念があります。
 ストロークとは、「あなたのことを認めているよ」と伝えるすべての言葉や行動のこと。 

「おはよう」 「ありがとう」 「わかるよ」 「すごいね」 「大丈夫?」
挨拶、感謝、共感、称賛、気遣い。

こうした言葉や態度を通じて、人は「自分は認められている」と感じることができます。
交流分析の創始者エリック・バーン博士は、ストロークについてこう述べています。

肌からの触れ合い、言葉や態度からの刺激のストロークは、脳を中心として、身体全体の神経系の発達を刺激し、その機能の発達を促進している。

ストロークが不足すると、その子の脊髄の神経細胞は萎縮し、肉体的にも、情緒的、精神的にも、成長や発達が遅れる。

つまり、ストロークは「あると嬉しい」というレベルの話ではなく、人が生きていくために必要不可欠なものなのです。

※ストロークの重要性をかいたエピソードを下章(スキンシップの重要性を示すフリードリヒ2世の実験)で紹介しています。

ストロークの壺

人は誰もが、心の中に「ストロークの壺」を持っています。

この壺に、自分や他人からストロークを受け取って溜めていくことで、心が満たされていきます。

壺が満たされていると、気持ちが安定し、前向きに行動できます。
逆に、壺が空っぽになると、無気力になり、生きる力が枯れていきます。

HSPは配慮上手だから、ストロークを「あげる」のは得意。
相手の気持ちに気づいて、そっと寄り添うことができます。 

でも「もらう」ことは遠慮しがち。
 だから壺が空になりやすいのです。

ストロークの壺

交流分析、心を満たすストロークの壺の仕組み

肯定的ストロークと否定的ストローク

ストロークには、大きく分けて2種類あります。

人間関係を構築する関わり方と破壊する関わり方の図表

肯定的ストローク

文字通り、肯定的に「認めているよ」と伝えること。
「よくやったね」 「素敵だね」 「あなたがいてくれて助かる」 受け取った人は、嬉しくなり、自己肯定感が高まります。

否定的ストローク

相手の存在や価値は認めつつ、一部について修正や指摘を行うこと。

「信号が赤の時は渡ってはいけません」 「その持ち方だと危ないよ、こう持った方がいいよ」 注意や指摘なので、受け取った側はネガティブな気持ちになります。

でも、相手のことを認めているという土台があるなら、これもストロークです。 

大切なのは、ストロークを与える側が「相手の存在・価値を認めている」というスタンスからずれていないこと。 ここがずれると、ストロークではなく「ディスカウント」になってしまいます。

ディスカウントとは

ディスカウントとは、相手(あるいは自分)の存在・価値・行為を「値引き」することです。
馬鹿にしたり、軽く見たり、無視したり、否定したり、排除したりする。

そうした心の動きと、それが表面化した言動のすべてを指します。

言われると「グサッ」と刺さって、いつまでもチクチク残る言葉。
言われると無力感に襲われて、自分がちっぽけな存在に感じてしまう言葉。
それがディスカウントです。

ディスカウントの例

「だから君はダメなんだよ」
「どうせ君にはできないから」
「そんなことで傷つくの?」
「考えすぎだよ」
「気にしすぎじゃない?」

こうした言葉を受けると、人はこんな気持ちになります。
・一緒にいたくない
・安心できない
・いつ責められるか不安
・自信がなくなる
・自分はちっぽけだと感じる
・胸にぽっかり穴があく

否定的ストロークとディスカウントの違い

この2つは混同しやすいですが、決定的な違いがあります。

 否定的ストロークは、相手の存在を認めた上での指摘。 
「あなたのことは認めている。でもこの部分は直した方がいいよ」

ディスカウントは、相手の存在そのものを否定する。 
「あなたはダメだ。価値がない」 同じ「注意」でも、根底にあるスタンスが違うのです。

テーブルに乗ったかすみそう

HSPがディスカウントを受けやすい理由

HSPは、相手のことをよく見ている。
だから配慮ができるし、相手の求めていることを先回りして差し出せる。

でも、相手が鈍感タイプな場合、その配慮は「当たり前」として扱われてしまう。

感謝もされず、軽く扱われ、時には傷つけられる。

もちろん、お返しを期待しているわけではないです。
でもそういうことが続くと悲しくなるものです。

それでもHSPは、相手の立場を想像してしまう。
「忙しかったのかもしれない」 「悪気はなかったんだろう」 「自分が期待しすぎたのかも」

そうやって、傷ついた自分を責めてしまう
これが、HSPの壺が漏れ続ける仕組みです。

スキンシップの重要性を示すフリードリヒ2世の実験

ストロークがいかに大切か。
それを悲しい形で示した歴史的な実験があります。

800年ほど前、ローマ皇帝フリードリヒ2世は、こんな実験を行いました。
50人の赤ちゃんを集め、食事や排泄の世話はするけれど、目を見ない、笑いかけない、話しかけない、スキンシップを一切取らない

(一説には、何も話しかけなければ、どんな言語を話すのかを実験したともいわれています)

その結果、50人の赤ちゃん全員が、1歳の誕生日を迎えることなく亡くなりました。 

栄養は与えられていたのに、です。
この実験が示しているのは、人間にとってストローク(触れ合い、認められる経験)は、食事と同じくらい生きるために必要だということ。

大人になった今でも、この原則は変わりません。ストロークの壺が空になると、心は枯れていくのです。

著作者:freepik

まとめ:壺が空になると生きる力が枯れる

HSPの心が枯れやすい理由をまとめます。

1. 配慮はできるが、受け取ることを遠慮してしまう 

2. 勇気を出して求めても、踏みにじられることがある

 3. それでも「自分が悪い」と自分を責めてしまう 

4. その結果、壺の中身が漏れ続け、空っぽになる 

ストロークの壺が空になると、無気力になり、生きる力が枯れていく。
でも、壺を満たす方法はあります。

次回は、「自分で自分を枯らしていませんか?」というテーマで、セルフディスカウントとネガティブスパイラルについて解説します。