二重スリット実験とは
はじめに
こんにちは、スピ大好き、管理人みのりです。
「スピリチュアルが大好きだからこそ、きちんと知りたい、科学的根拠」という姿勢で、この記事を書いています。
量子力学の奇妙な世界には、興味深い実験がたくさんありますが、その中でもっとも有名なのが「二重スリット実験」です。
この実験では、電子や光子を二重スリットに通すと、波動性を表す縞模様が現れますが、観測されるとその模様は消え、粒子のように振る舞います。(下図参照)
この実験は、不思議で非直感的な現象ゆえに、哲学的に解釈されることが多いです。
特に、「人の意識が実験結果に影響を与えた」という話題も、よくききますが、本当なのでしょうか。
この記事では、そんな不可思議なアイディアを追求していきます。
まずは、二重スリット実験とは、どのような実験なのか、なぜ重要なのかを、詳しく見ていきましょう。
二重スリット実験とは
◆不思議な性質の背後にある実験
量子力学は、ミクロ(量子)の世界が、マクロの古典力学とは異なる法則に従うことを示唆しています。
その中でも特筆すべきは、「波動と粒子の二重性」です。
これは、電子や光子などの量子が波の性質と粒子の性質を同時に持っていることを意味します。
◆二重スリット実験
二重スリット実験は、この不思議な性質を理解するために用いられます。狭いスリットが2つ開いた壁に、電子(量子)を通すと、通常は粒子が通るだけのように見えます。
◆波動と粒子性
しかし、ここで驚くべきことが起こります。
電子は通常、波のように振る舞い、2つのスリットからの波が干渉するため、壁には干渉模様が現れます。これが、波動性の一例です。(上図緑枠)
◆観測の影響
しかし、どのスリットを通過したかを確認するため、観測器を設置すると不思議なことが起こります。
観測が行われる瞬間、電子はどちらか一つのスリットを選び、干渉模様は壁から消えてしまうのです。(上図ピンク枠)
◆粒子的な振る舞い
観測が行われると、電子は粒子としての振る舞いを見せ、2つのスリットのどちらかを選び、干渉模様が失われます。
◆なぜそうなるのか
この不思議な変化は、観測プロセスが電子に影響を与えるためです。
量子力学において、我々が観測を行うことで、波動性から粒子性への変化が起こり、あいまいだった状態が確定するのです。
※今回は、波動関数の説明は省かせていただきます。
二重スリット実験でいう観測とは
物理に疎い私は、「観測すると波が粒になる」と、きくと、まるで人が見てたから👀、人の意識が影響して波から粒になったと早合点します。
この二重スリット実験における「観測」が、何をさすのかが重要になります。
二重スリット実験は、微小なミクロな世界の「観測」です。
直接、人間の目で見て確認することは出来ないので、観測器を使います。
この二重スリット実験でも観測器による観測がおこなわれます。
科学的な視点からみる「観測」とは、人間の意識や主観的な要素は物理的な結果に直接影響を与えるものではなく、観測プロセス自体が重要だという考えが支持されているそうです。
つまり、観測のプロセス自体が波動関数の崩壊や粒子性の顕現に関与し、人間の主観的な意識よりも観測装置や相互作用が量子に影響を及ぼしていると考えるようです。
スピリチュアル好きには、ちょっと残念な感じがします。
観測器は、どうやって電子を観測しているのか
二重スリット実験において、観測器が、電子がどのスリットを通過したか確認する一般的な方法として次の3つがあるそうです。
- 光観測
観測器はスリットの近くに配置され、光源がスリットを通過した電子と相互作用します。この相互作用により、観測器は光の反射や散乱の変化を検出し、どのスリットを通過したかを知ることができます。これは光を使って電子の通過を確認する方法の一例です。 - 電子との相互作用
二つ目は、観測器自体が電子と相互作用し、その相互作用から情報を得ることです。
電子がスリットを通過すると、観測器に配置されたセンサーやディテクターが電子と相互作用し、信号を生成します。
この信号が、どのスリットを通過したかを示す情報になります。 - 電子の位置検出
電子の位置を検出する方法にはさまざまな手法があります。電子ビームや電子検出器を用いた手法では、電子がデバイスに衝突することで信号が発生し、その信号を解析して電子の位置を特定します。このプロセスによって、観測者は電子がどのスリットを通過したかを確認できます。
実際の実験では、他にも、さまざまなテクニックが使用されることがあるそうですが、重要な点は、観測器が電子の通過を確認するために光を使ったり、電子との相互作用を介して情報を得てるということです。
すると、電子の波動性が失われ、粒子的な動きに変化するのです。
この現象は、観測器がミクロな量子に影響を与え、波動関数の崩壊を引き起こすことを示しているそうです。
つまり、あいまいな状態から確定するということです。
科学的な解釈では、人間の主観的な意識よりも観測装置や相互作用が量子に影響を及ぼしていると考えられています。
二重スリット実験が、人の意識が関係するってのは本当か
二重スリット実験が、人の意識が関わるという話題がスピリチュアル界で話題になりました。
イタリアの大学の研究チームや、アメリカのノエティック研究所のDean Radin氏(元アメリカ超心理学会会長)による実験では、観測器のそばで人が「右を通れ」と念じると、右を通る確率が高まるという結果が得られたとされています。
それが、引き寄せに関連付けて、さも人間の意志が関わっているかのように、説明されることがあります。
しかし、現在の段階では、この影響がどれほどのものかについては、科学的に確定されていません。
科学的な研究や報道においては、この種の研究は、科学的な検証が難しく、その結果が再現可能でない場合が多いため、注目されにくい傾向があるそうです。
ですが、奇抜なアイデアや研究は、一般やスピリチュアル界では、取り上げられることが多いようです。
そして、伝言ゲームのように、微妙に情報に尾ひれがついていく…みたいな現象がおこるようです。
Dean Radin氏の研究についても、有名な科学誌に反論記事が存在するなど、議論の余地があることを理解する必要がありそうです。
一般的に科学的な主張が広く受け入れられるには、独立した研究グループによる再現性が確認されることが重要だそうですが、この実験については、充分ではなさそうです。
スピリチュアル大好きな私としては、意識が関わっていて、願えば叶うんだ!って信じたいけれど、少し、慎重になろうと思います。
科学的に証明されていないから、嘘だということもないし、事実の可能性も残されています。
ただ、あおるような情報発信には注意が必要かと思います。
情報が溢れる時代だからこそ、どんな情報も取捨選択し、客観的な判断が必要なんだなと痛感しました。