PR

カサンドラ症候群について

わかって貰えなくて辛いカサンドラ症候群、花と巣箱 愛着・AC

この記事は主に、精神科医の岡田尊司先生が書かれた「カサンドラ症候群」を参考に作成しています。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

ヒステリーの本当の原因

自分の人生のなかで、自分を許せない時期があります。
それは、ヒステリー状態におちいっていた、30代の頃です。
正直、知られたくない部分であり、人との距離を縮められない原因にもなっていました。

それが最近、なぜ、その時期だけヒステリーだったのか、解明し救われました。

パートナーや親など、身近な人の共感力が、乏しいと生じるカサンドラ症候群だったからです。
情緒的なコミュニケーションが取れないでいると、信頼関係や愛情のみならず、心身の健康を破壊してしまうそうです。

そして、何よりも強く伝えたいのは、その相手は、一見とても優しく仕事も出来る理想の夫のように見え、ヒステリーをおこす妻側が悪者になりがちなところです。

人に相談することも出来ずに、自分を責めている人が多いのではと思い、1人でも多く、救われてほしいと願い記事にしました。

カサンドラ症候群とは

「カサンドラ症候群」とは
ある種の障害や特性により、心が通わない夫(または妻)を持ったパートナーに生じる心身の不調

「カサンドラ症候群」-岡田尊司・著より引用

カサンドラ症候群といえば、アスペルガー症候群をパートナーにもつ配偶者とされていますが、著者は、アスペルガーだけではなく、ある種の障害や特性をもつパートナーとしています。

それは、パーソナリティ障害や回避型愛着障害もアスペルガー症候群と似た傾向があり判断しにくいからだそうです。

障害の有無や種類にこだわらず、共感性、応答性に乏しいパートナーを持ち、心身に不調をきたしてる人と言えそうです。

著者も、さまざまな要因の結果、パートナー に対する共感性が 低下し、思いやりのある相互的なコミュニケーションが取れなくなっていることが真の問題だと述べています。

さらに、その苦しさが、まわりに理解されないことが、拍車をかけます。
情緒的な面が欠けるパートナーも、数字や言語に非常に長けている傾向があり、社会的に成功している人が多いため、理想の夫のように見えるからです。

カサンドラ症候群の由来は、いくら騒ぎ立てても、まともに取りあってもらえない状況が、ギリシャ神話に出てくるカサンドラ王女の状況と似ているところからきています。

カサンドラ王女のことはこちらの記事で、もう少し詳しくかいています。

ちなみに、夫以外にも、親や子供、職場の人との間でも、起こりえます。
相手のことを理解しようと頑張る人ほど、傷つき、挫折感を味わいカサンドラ症候群に陥りやすいそうです。

Minori
Minori

カサンドラ症候群とは、名前のとおり誰にも信じてもらえない辛さがあります。
なので、相談する相手を間違えると、さらに追い詰められることになってしまいます。
発達障害に詳しい人や相談所など、カサンドラ症候群に理解のあるところに、相談することをお勧めします。
個人的には、カップルカウンセリングを2人で受けることが出来たら、別れるにしろ、やり直すにも道が見えてくるように思います。

   

アスペルガー症候群のパートナーでもうまくいくケース

アスペルガー症候群の特徴として次のようなものがあげられます。

  1. 相互的なコミュニケーションや協調して一緒に行動することが苦手
  2. 相手の気持ちに共感したり、言外の意味を想像したりすることが苦手
  3. 同じ行動パターンや狭い興味にとらわれやすく、視点の切り替えが苦手
  4. 感覚の過敏さや逆に鈍感さがある

このように、情緒的なコミュニケーションが苦手なので、親密な関係になると、いろいろと問題がおこってきます。

しかし、すべてがうまくいかないわけではなく、研究者同士だったり、相手の才能や能力に惚れ込み、保護者役を全面的に引き受けた場合は、うまくいくことが多いそうです。

同じ学者や研究者同士だった場合は、ライフスタイルや関心も共通し、どちらも子供をもつことに興味がないので揉めることもないらしい。

保護者役を全面的に引き受ける場合とは、自分自身は特に野心はなく、特別な才能や能力を持った相手を礼賛しサポートすることに生きがいを見出しているケース。
いわゆる、縁の下の力持ちタイプ。

この二つがうまい具合にミックスされてる場合も、幸運な形になるそうです。

アスペルガー症候群以外の考えられる原因

パートナーが、カサンドラ症候群になってしまう要因は、下記の愛着障害やパーソナリティ障害、依存症などがありますが、共通するものとして、次のように著者は述べています。

さまざまな障害が要因となり得るが、すべてに共通するのは、共感的応答が困難になるということ。それがパートナーとの信頼関係や愛情のみならず、そばにいるパートナーの心身の健康を破壊してしまうのである。

カサンドラ症候群-岡田尊司著より

愛着障害

愛着とは、母親を代表とする養育者との間の心の絆、心理的な結びつきのことをいいます。
愛着障害とは、その結びつきが何らかの理由により形成されず、子どもの情緒や対人関係に問題が生じる状態のことを言います。

人間が幸福に生きていく上で、もっとも大切なもの。
それは安定した愛着である。愛着は、人格のもっとも土台の部分を形作っている。人はそれぞれ特有の愛着スタイルをもっていて、どういう愛着スタイルをもつかにより、対人関係や愛情生活だけでなく、仕事の仕方や人生に対する姿勢まで大きく左右されるのである。

愛着障害-岡田尊司著

愛着の仕組みは、カサンドラ症候群と深く関係があるのですが、それはまた、別の記事で書かせてもらいます。

回避型愛着スタイル

親密な対人関係や情緒的な関係を避ける傾向をもった愛着タイプ。
アスペルガータイプが遺伝要因が強いのに対して、主に養育要因などの環境要因によって生じるもので、アスペルガータイプより対人症状は軽いにも関わらず、対人関係の困難や生き辛さが、むしろ強い場合もある。
アスペルガータイプと、見分けが難しく、大人のアスペルガーと呼ばれているものの中には、かなり混じっていると推測される。

恐れ・回避型愛着スタイル

親密な関係を避けるという「回避型」の側面だけでなく、自分を認めてほしいという不安型の側面ももつ「恐れ・回避型」は、本当は関わりや愛情を求めているが、拒否されたり、傷つくのが怖くて、自分をさらけだせないと言う葛藤を抱えやすい。
共感的応答が乏しいといった単純な表れ方にはならず、共感的応答が変動する形として表れやすい。
相手にはわかりにくい些細なことで、自分を否定されたと感じると急に共感的応答がなくなり、正反対の拒否や攻撃的な態度になる。

パ-ソナリティ障害

共感性の低下を伴う、下記のパーソナリティ障害も、パートナーにカサンドラ状態を引き起こしてしまう。
これらのケースも、対外的には良い夫とみられていることが多く、妻の苦しさは理解されにくい。

自己愛性パーソナリティ障害

自己愛性パーソナリティ障害は、肥大した自己愛と他者に対する共感性の乏しさを特徴とし、傲慢さや他者を見下ろした態度、誇大な願望や理想、自己顕示性、自己中心的に相手を利用しようとする傾向や冷酷さなどみられる。
自信に満ち、一見すると魅力的だ頼りがいがあると感じられやすい。
自分に自信がないタイプの人は、こうしたタイプの人に惹きつけられやすい。
愛情というよりも、自己顕示的な満足や経済的な利得で働くタイプで、共感的な支えをしてもらえず、妻はカサンドラになりやすい。

強迫性パーソナリティ障害

義務感やルールに過度にとらわれ、融通が利かない点が特徴。
倫理観や正義感が強い傾向も見られ、自分のことよりも公のルールや慣習を重んじる。
道徳的な義務や勤勉な努力を重んじる価値観に縛られがちで、それらに外れた存在を否定的に見てしまう。
パートナーとの関係においても、相手の気持ちを相手の立場で理解し、共感することができない。
相手の気持ちよりも自分の中の基準で考えてしまう。共感的に相手との相互的な関係を築いていくよりも自分の基準をおしつけてしまうところがある。

回避性パーソナリティ障害

傷つくのが怖くて、親密な関係やチャレンジを避けることを特徴とするタイプ。
関わり自体をもつことが困難で、たえずおどおどしたり、自信がない態度をとってしまう。
恐れ・回避型愛着スタイルと重なり、実際、このスタイルの人が圧倒的に多い。

シゾイドパーソナリティ障害

ジゾイドパーソナリティ障害は、人と関わりを持つことへの関心や喜び自体が乏しく、ベースには回避型の愛着スタイルがあることが多い。
シゾイドの一部は、自閉症スペクトラム症のうちの自閉型と呼ばれるタイプ。

失調症パーソナリティ障害

インスピレーション豊かな占い師のような特性をもったタイプ。
普通の仕事は合わないが、ユニークな発想や直観力に優れ、専門的分野や創造的な領域で独自の活躍をする人もいる。
情報発信など人と関わろうとするところがあるが、共感的な関わりと言うよりも自分の独自の世界や考えを表現するといった一方通行のコミュニケーションになりやすい。

妄想性パーソナリティ障害

強い対人不信や猜疑心を特徴とするタイプで身近親しいで存在さえも信じることができない。
個人情報を知られることに強い警戒心を見せたり、内面や過去を知られることにも抵抗が強い。
偏執的で一つのおもいにとらわれると、何年もそのことを思い続ける執念深さも特徴。
最初の印象は、とても丁寧で、きちんとしていたり、細かいところまで気を使ったり真面目で律儀な感じなので親密になるまでは、執着心や猜疑心の強さに気づかないことも多い。
共感どころではなく、何も信じてもらえず、攻撃され続けるという最悪の状況にパートナーは置かれることになり、カサンドラ症候群の中でも最も深刻な事態になりやすい。

それ以外

  • ギャンブル、インターネット、ゲームへの依存症
    これらのことに没頭しすぎ、家族がネグレクト状態になる
  • アルコールや薬物
    アルコールや薬物の脱抑制作用により感情のブレーキが働かなくなる危険がある。
    素面のときであれば言わないであろうことを酒や薬が入ると言ってしまう場合があり、共感力も低下し、相手の気持ちに配慮することも難しくなる。
  • 認知症
    会話のキャッチボールや意思の疎通が出来なくなった場合
  • 高次脳機能障害
    損傷部位により、性格が変わったように暴力的になったり感情のコントロールが出来なくなった場合

カサンドラ症候群の正体=愛着システム機能不全

愛着システムとは

愛着は心理的な問題のように思われがちですが、生物学的な仕組みだそうです。
愛着システムを支えているのはオキシトシンというホルモンで、オキシトシンには、ストレスから守る作用があります。
その働きが低下すると、ストレスをまともに受けることになり心身症などの問題を生じやすくなるそうです。

パートナーから共感的応答を受けることにより、愛着の仕組みがうまく働き、オキシトシン系が健全に機能することで、ストレスや不安から守られます。
免疫系や内分泌系も、健康を守るためにうまく機能します。

しかし共感的応答が与えられないと、愛着が形成されません。
後でふれる愛着不安型はもちろんのこと、もともと安定した愛着の人も不安定になってしまうそうです。

不安定な愛着がもたらす身体的症状

カサンドラ症候群に多いのは、頭痛や体の痛み、めまい、胃の症状や下痢、便秘などの消化器症状で、心身症としては、代表的なものに胃潰瘍、一二指腸潰瘍、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)、メニエール症候群があるそうです。

また、喘息のようなアレルギー疾患やクローン病のような自己免疫疾患も、ストレス発症や悪化の引き金になるし一部のがんの発症にもストレスが影響するそうです。

近年は、慢性的な疼痛と愛着機能の障害の関係が注目されていて、不安定な愛着を抱えた人は、頭痛をはじめ慢性的な痛みに悩まされている人が多いそうです。

カサンドラ症候群になりやすい不安愛着型

大人の不安型

大人の愛着不安型の特徴は、相手の顔色を気にしたり、機嫌をとろうとしたりする傾向が強いことです。
自分に自信がなく、相手に気に入って貰い、愛情や承認を絶えず得られないと不安になってしまうからです。

些細な決断も相手に頼ってしまいがちで自分ではうまくできないと思い込んでいます。
そのため相手に依存しやすく、自分をないがしろにしてしまうところがあります。
自分のことは、後回しで相手のことを心配し、世話を焼いたり過度に尽くしたりすることも少なくありません。

そんなに頑張ってしまうのも、自分を「良いパートナー」「良い親」として認めてもらいたいという気持ちが強いためです。
なので、自分の頑張りや気遣いを認めて貰えないと、フラストレーションがたまり、落ち込んだり、怒りを爆発させたりということが起きます。
ねぎらいや感謝がないと、カサンドラ的反応をおこしやすいのです。

悪化する要因

困ったときほど助けてくれない

回避型の人が持つ特性で、本当に困っているときほど助けてくれなかったり、助けを求めると煩わしがったり、怒り出したりする場合があります。

ストレスの対処が真逆

回避型と不安型ではストレスを受けたときの反応が真逆といっていいほど異なります。

回避型の人は無口になり自分の殻にこもることで耐えようとするのに対し、不安型の人は、多弁になって相談したり話を聞いて貰ったりすることで紛らわそうとします。

なので、両者のストレスが高まるほどすれ違いが大きくなります。
このすれ違いが起きてしまう根本的要因は、回避型の人では利得やルールといったことに中心的な価値を置く一方、不安型の人は共感や愛情といったことに大きな価値を置くというギャップによります。

このギャップからくる反応のずれを少しでも小さくするためには、互いの違いを理解して歩み寄るしかありません。
回避型は共感的関わりを増やすように努力をし、不安型の人は、利得や義務を守ろうとすることで愛を示そうとしていることを少しでも理解することです。

さいごに

今回は、パートナーの共感的応答力が乏しくて辛いのに、一般的には問題ないと思われていて、まわりにも理解されない。
相談してもまわりには理解されにくく、よけい追い詰められてしまう状況になってしまう。
それは悪妻でも恐妻だからでもなく、カサンドラ症候群かもしれないことを伝えたくて記事を作成しました。

自分たちだけで解決するには、難しそうですが、著書の中に、夫側からのアプローチ法、妻側からのアプローチ法も、たくさん書かれています。

私の場合は、おもいっきり不安型だったので、鬱やヒステリーが強くでて、そんな自分からも、否定される環境からも、ただただ逃げたかったです。
今は自分が、共感力、ねぎらい、気遣いをたくさん必要とするのを自覚しているので、回復法を読むのは少し辛かったです。
なので、そこには触れてはいません。

まだ、やり直しのきくかたは、是非とも、手にとってみてください。

タイトルとURLをコピーしました