ストロークの壺を満タンにする方法
ストロークの壺を満タンにするには、次の3つの方法があります。
・自分で自分にストロークをする
・周囲からのストロークを素直に受け取る
・足りなくなったら、自分でもらいにいく
さらに、自分のターゲットストロークを知ることで、効果的にストロークをためることが出来ます。
自分のターゲットストロークを知る
人それぞれに、射撃の的の中心に命中したかのような、貰ってものすごく嬉しかったストロークがあると思います。
あげた相手は、特にたくさんあげたわけでもなく、大げさにあげたわけではないのに、
貰った方は、ものすごく、ほめられたように感じ、満足し、自分が成長したような感覚に満たされる、そんなストロークをターゲットストロークといいます。
ターゲットストロークを貰うと、いつもよりいっぱいのストロークがたまります。
そして、人によってターゲットストロークが違うので、自分のターゲットストロークを知ることは、心を満たすために、とても重要です。
では、自分のターゲットストロークを知るための方法を紹介します。
- 自分のいいところを書きだす
自分自身のいいところ、好きなところ、得意なこと、誇らしいところ、そういうところを、気持ちがおもむくままに書き出す。
(どんな内容でも記述でもOK)
制限時間は10分です。⌛ Start!!
- Best5を決める
書き出した中から、自分が特に気に入っているもの、しっくりくるものを5つ選ぶ。
選ぶときは声をだして読む。
(書き出し作業に使っていたのは主に「思考」で、読み上げることで、「声・音声」という違う形に変化させると、思考のイメージと違う形で自分に戻ってくることがあるそうです)
- Best1を決める
先ほど選んだ5つの良いところを、誰かに協力してもらい、読んでもらう。
「私は明るい性格だ」という場合、まず、その文章を自分で読む。
次に友人に、「はい、〇〇さんは明るい性格です」と返してもらう。
〇〇には、自分の名前をいれます。そうすることでより、自分が言われたという感覚になるからです。
そして、返してもらったときに、自分の心がそれを、どんな風に受け止めているかをじっくり感じる。
これ(同じ文章)を3回行い、選んだ5つ全部に行う。
5つとも終わったら、一番うれしかった、心が震えたものを選ぶ。
それが、自分のターゲットストローク。
ターゲットストロークは、今でもそうだと思ってはいるけれど、少し足りないと思っている自分だそうです。
なので、貰うととても嬉しく、どかっと、たくさんのストロークが入るのだそうです。
ターゲットストロークを貰えるように努力をすると周囲から貰える確率が高くなります。
ターゲットストロークを貰えるように意識して行動することで壺をより早く、より少ないエネルギーで満たすことが可能になるのです。
壺が満たされると心が安定し自然に周囲にもたくさんストロークを出せるようになります。そうしてストロークの好循環・好環境が作られていきます。
ターゲットストロークは、ちょっと足りないと思っていた自分なので、十分に達したという感覚になると、それはターゲットではなくなります。そして、次のターゲットストロークが生まれてきます。
ターゲットストロークは、自分の成長によって変わっていくものなので、
自分の成長の指標としてターゲットを知る、または自分の成長の軌跡としてターゲット記録する。そういった使い方ができます 。
仲の良い友人と、前述したワークを一緒にやり、お互いのターゲットストロークを知り、教え合えば、お互いの壺を効果的に満たすことが出来ます。
教え合っておけば、ストロークが減って元気がなくなったり、自分や周囲をデスカウントしてしまうようになってきたら、ターゲットストロークを効果的にあげたり、貰ったりできます。
Minori
メンタルがとても弱っているときは、人と関わるのがとても、苦痛になります。なので、友人とのやりとりが必要なこれらのワークで、心折れないでくださいね。
私も、出来ていません(-_-;)
著者の意図とは違うかもしれませんが、友人の協力を依頼するエネルギーがないときは、ムリしないでいいと思います。
今はその時ではないのかもしれません。
ストロークスキルの磨き方
ストロークを与えようという気持ちがあっても、いざとなると、とまどってしまうのではと思います。気持ちとスキル(技術)の両方が揃ってうまくいきます。
難しいことではなく、普段していることを「ストロークを与える」ために意識して使うことです。
たくさんのストロークを与えられる人=ストローカーになりましょう。
相手にストロークを与えるスキル
- 笑顔
笑顔というのは、あなたに危害は加えません、あなたのことを認めていますよ、あなたのことを受け入れていますよというメッセージ 。
思ってる以上に、言語以外の情報は重要なメッセージなので、笑顔の持つパワーは、とてつもなく大きなもの 。
ストロークスキルの第一歩であり、最高のスキルになります 。
- 挨拶
挨拶は、最初のストローク交換であり、最小のストロークの単位 。
余裕があれば「今日もいい天気ですね」など一言加えます 。
このプラス一言で、その後の会話が弾んだり、もっと話をしたい気分になったりするもの 。
プラスの一言そのものがストロークになり、さらにストロークの交換を促進していくという作用もあります。
挨拶は、あなたのことを認識していますよ、あなたを一人の存在として認めていますよというサインになる。
- 話を聞く
誰でも話を聞いてもらって元気になった経験があるように、話を聞くというのはとても大きなストローク 。
それも聞くではなく聴くです 。
この二つの違いは何かと言うと 聞くは聞こえるという程度のもので、聴くは意識とエネルギーを集中して聴くということ。
なので、聴くという行為は、話をしている相手に意識を集中し、自分の持っているエネルギーを注ぎ込む行為。したがって相手は、とても多くのストロークを受け取ることができる。
聴き方のポイントは話を聞いている最中に自分の頭の中に起こるセルフトーク(自己会話)を鎮み相手に集中すること。
相手の話を聞きながら「自分の話をしたくなったり」「否定したくなったり」「違うことを考え始めたり」「どう終わらそうかな」など思い始めたら、聴いていない状態です。
- 共感する
共感とは、相手の感じている感情を同じようにキャッチし、感情の周波数を相手に合わせる行為のことをいいます。
共感は、「自分を受け止めて貰っている」「この気持ちは変じゃないんだ」「私はOKなんだ」という気持ちにさせ、相手の心の深くに届く最高のストロークの一つです。
注意することは 共感は同情とは違うということ 。
共感は相手の感情を自分の物のように感じることですが、同情はその人の身の上になって、その感情を共にすること、 つまりその人と一体になってしまうこと です。
同情もストロークには、なりますが、感情の嵐に巻き込まれてるので、相手の話をきちんと受け止めるというスタンスから、ずれてしまいがちになり、 相手の感情より自分の感情が優先になってしまう可能性が高いのです 。
なので、話を聞くときは同情ではなく共感!これが基本です 。
- 具体的に誉める
誉める、認めるはとても素晴らしいストローク。
誉める時の最大のポイントは「相手のいいところを見つけ出す」視点でみたり感じたりすることです。それと、心を込めて本気で誉めることです。
また、「あなたはいい人だ」「あなたは真面目だね」と大雑把に誉めるのもいいですが、「あなたの人に対する態度は素晴らしい」「あなたの笑顔はとても明るくて素敵だ」「あなたは人の嫌がる仕事でもきちんとこなすから頼りになる」というように、より具体的に相手に伝えた方が嬉しいものです。
なぜならば具体的に誉められると、人は自分のその行為をより具体的にイメージしやすいので、そんな細かいところまで見ていてくれるんだと、自分を大切に扱われている存在として感じたり、よし誉められたぞ、これからもっと意識してやってみようと、その人のエネルギーの方向性が定まるので安心します。
他に、「本人以外にも伝える」というスキルもあります。
「あの人がこんな風に君のことを誉めていたよ」と伝え聞く方が嬉しかったりするからです。
「こんな風に言ってくれてる」「こういう話がみんなに伝わっている」という感覚はとても心地よいストロークなので、良いところは本人だけではなく、周りの人にもどんどん教えてあげましょう 。
- 応援する
応援するとは、その人の存在を認め、その人の向かっている方向を認め、サポートし励まし支え援助するということ 。
自分の人生は自分自身で生きていかなければいけません。生まれる時もひとりですし死ぬ時も基本的にはひとりです。
でも、自分の存在を認めて応援してくれる人が、この世にいる。
自分を支えてくれようとしてる人がこの世にいる、こんなに勇気の出ることはありません。
「あなたを応援するよ」と伝えることで、その伝えた人の存在そのものがストロークになります。「あの人がいる限り僕は頑張れる」と言わしめることができるのは、その人の存在そのものがストロークになったからなのです 。
- アドバイスする
自分が持っている情報やスキルを教えてあげる。相手の役に立ちそうな自分の経験を話ししてあげる。こういったアドバイスが具体的で有効であるほど、アドバイスした人は少ないエネルギーで物事を進めることができます。
ポイントは、すぐに役立てるように分かりやすく具体的に伝えること。
主人公は相手だということ、相手に役立つことを伝えるんだというスタンスを踏み外さないように注意する。
「~した方がいい」「~するべきだ」は、アドバイスではなく、指示になります。相手にメッセージを伝える時は「私は~と思う」という I(アイ)メッセージを使うとよい。
- 信じる
そんな状態でも、どんな環境でも「自分を信じてくれている人がいる」ということはとても大きいストロークになります。
本人さえも気付かない「可能性」や「神の力」を信じて疑わない。本人が不安になったり、過ちを犯してしまっても「大丈夫、君を信じているよ」と揺るがないことは、すごいパワーを持っています。
ただしこの素晴らしいストロークも相手に伝えないと意味がありません。「君を信じているよ」とはっきり伝えましょう 。
- 期待する
期待するというのは信じるの次の段階です。
相手の「可能性」や「真の力」を信じ、それを期待する。人は他人から期待されると、やる気が出ます。「僕は期待されているんだ」とはつまり「僕には能力があるんだ」「僕には期待に応えられる力があるんだ」という自己有能感を感じることができる。
信じるというストロークは、主に存在に向けて発するものですが、期待するというストロークは能力やスキルなどに向かって発せられるもの 。
人は期待されるとモチベーションが高まり、その人の持っている様々なものが引き上げられるよう向上します。つまり、さらに上に向かって伸びていくのです。
信じることで安定させ、期待することで伸ばす。これがストロークによる人材育成の基本なのです 。
- 遅くても待つ
これは信じるの中に入るストロークですが、大切なので別記しました 。
人は、なかなか待てないものです。ついイライラして遅いと相手を責めてしまったり、相手の能力のなさを心の中で数えあげてみたり、過去の同様の失敗思い出して、さらに腹を立てたりします。 つまり相手をディスカウントしてしまいます。
遅くても、相手を信じて待つのです
頭の中で怒ってくる様々なイライラやディスカウントの言葉には「きっと理由があるんだろう」「彼は彼なりにベストを尽くしているんだから」という言葉で立ち向かい、自分の頭の中のディスカウント追い払い、心の中をストロークで満たすのです。
信じて待ってもらっていることが相手に通じた時、その相手はとても大きなストロークを受け取ります 。
そして自分のベストを尽くすことを意識するようになるのです。
- 失敗を許す
誰にでも失敗はあります。
ベストを尽くしての失敗は失敗ではなく経験です。それを大切な経験として捉え、次に活かしていけばいいのです。
「失敗はマイナスなことではない」「失敗を許すも許さないもなく、失敗は OK なんだ」というメッセージを言葉と態度で示してあげることが肝心 。
これは相手が失敗して落ち込んでいるときの、とても重要なストロークになります。
- 自分の本音を伝える
親密な関係になるには、本音のコミュニケーションが欠かせません。
本音を伝えるということは、「君を信じているよ」「君を認めているよ」というメッセージを色濃く含んでいます。そして「僕はこういう人間なんだよ」という自己開示をしますので「君と僕は一人の人間として付き合っているんだよ」という意味になります。
このストロークを貰うと親密感が増し、自己肯定感や自己有能感が上がります。
そして何より本音のやりとりをすることで、お互いにストロークの交換ができるようになるのです。
ストロークは、あげるばかりのものではなく、もらったりすることも大切なので す。
自分にストロークを与えるスキル
- 自分を認める
あなたは、ひとりの赤ちゃんとして生まれ、出来ないこともいっぱいありながら精一杯成長し、様々なことを覚え、いろいろな人たちと協力や衝突を繰り返しながら大人になりました。
その過程では「苦しいこと」も「楽しいこと」も「辛いこと」も「嬉しいこと」も「悲しいこと」も、とても多くのことがあったはずです。
そうやって自分なりに精一杯一生懸命、生き抜いてきたのです。
そんな風に頑張ってきた自分を認めてあげましょう。良いところも良くないところも全部まとめて認めてあげ、許してあげるのです。
自分を本当に心から大切な友人と同じように扱ってください。自分の親友に自分がなるのです。本当に心から大切な友人は、どんなことがあっても認め許せるものです。
「自分を認める」ということは、「自分にストロークを与える」ということの基本的な土台、ベースなのです。
- 自分を誉める
自分の「いい」と思うところを自分でほめること。自分をほめる癖のある人は、ことあるごとに自分をほめます。
「我ながら、いい出来栄えだ」「俺もなかなか能力あるな」「私は仕事が早い」「私には魅力がある」「洋服のセンスがいい」「細かいことは気にしない」など、自分の頭の中で自分に対して声かけをし、常に自分にストロークを発している状態です。
なので、ストロークの壺が、からからになることはないでしょう。
今まで自分を誉めてきたことがないと、最初は少し違和感があるかもしれませんが、「自分を誉める」ことは、「習慣づける」ことによって、とてつもない効果を発揮します。
ターゲットストローク思い出し、それを普段から自分に言い続けるのです
自分を誉めることは、自分にストロークを与えることのいちばん基本的かつ、効果のあるスキルです。
- 自分の良いところを探す
自分を誉めると言っても、自分のいいところを認知していないと、誉めようがありません。自分の気づかないところを発見するには、周囲の人たちからのフィードバックに注意することです。周囲の人たちは必ずストロークを発しています。それを、「そんなこと…」と聞き流したり「自分は違う」と受け取らなかったりしている可能性が高いのです。
あるいは自分が言ったり、したことで相手が喜んだり、感謝されたり、ことがうまく運んだり、局面が打開出来たことがあるはずです。そんな時、こんなの当たり前だと思わずに「私はこんなに能力もあるんだ」「こんないいところもあるんだ」と改めて自分を見つめるのです。
悲観的なものの見方をする人は、「いいこと」があっても「それは他の人のおかげ」と思う癖があります。「私には能力がある」と自分に声かけしても誰も文句なんか言いません。そうやって自分の良いところをのリストを作り上げていくのです。
自分のストロークの壺がカラカラになりそうになったら、このリストを見つめながら自分でストロークを補給していくのです。
自分の良いところをたくさん知っているということは、自己イメージをあげ、効果的にストロークを補給するための前準備なのです。
- 自分の得意なことを探す
自分の得意なことを知っていれば、自分にストロークを与えるタイミングを逃さずにいられます。得意なことに積極的に取り組むことは、「うまくいく」「成果が上がる」など成功体験を生みやすくします。
成功体験は自己有能感につながり、自己有能感はストロークの壺を満たします。
自分の得意なことを知るということは、自己有能感を意識的に上げるための大切な情報なのです。
- うまくいったこと、出来たことを思い出す
人類の長い狩猟生活は、過去の失敗体験を深く刻み、いつまでも覚えておくことによって生き残ることにつなげていく脳の仕組みを作り出しました。
なので、私たちは、失敗体験の方が深く心に刻み込まれ、失敗したことや、出来なかったことを、いつまでも忘れられずにいて、うまくいったことは忘れてしまいがちなのです 。
しかし、環境が激変した現在、この脳の機能は完全に時代遅れになっています。
「~は出来なかったけど、〇〇は出来た」という場合、出来なかったところではなく、出来た〇〇の部分にフォーカスします。
うまくいったこと、出来たこと思い出すことは、自分が自信を失いかけた時、その感情に巻き込まれるのを防ぐ、重要で強固の防波堤になります。
- 感謝されたことを思い出す
人からありがとうと言われたこと思い出しましょう。それだけで、その事実だけでも人生には意味があります。生きていることに意味があり。無価値ではないのです 。
これも「うまくいったこと、出来たこと」と同じ防波堤になります。
- 認められた時の事思い出す
今まで生きてきた中で、「よく出来たね」「すごいね」「さすがだね」「素晴らしい」など認められたことが、たくさんあるはずです。自分をネガティブに見る癖がついていると、自分がいかに多くの承認をもらっていたかを忘れてしまい、悪い所ばかり思い出してネガティブスパイラルに入ってしまうことも、ありがちです。
脳は自分の都合のよいことはすぐに思い出せますが、都合の悪いことはフィルターをかけて思い出せないようにすることがあります。「認められたとき」「承認されたこと」を思い出せないのは、自分を見る時に、ネガティブなフィルターが強く働き、忘れてしまっているだけで、必ずあります。
- 大好きな人の顔を思い出す
心の中で大好きな人と一言二言でも構いませんので、その人と話をしてください。きっとその人はストロークをくれるはずです。なぜなら人はストロークをくれる人を好きになるからです。心の中の大好きな人からいつもストロークをもらえれば百人力です。
間違いやすいストローク
ストロークをする時は、自分が「私も OK、 あなたも OK 」の領域に入ることが大切です。
他の領域からのコミュニケーションは、自分がストロークをしているつもりでもディスカウントになっていることが多いのです 。
下記のような言葉は、相手のことを思っているようですが、立派なディスカウントです。
【一見ストロークに見えるディスカウントの例】
「これはお前のために言ってるんだぞ、わかったら言う通りにしなさい」
相手のためと思って注意をしているつもりが、根底には「お前は駄目だ」が含まれている。
「つらかったら会社を辞めてもいいのよ、まだ若いんだから。お父さんも働いてるし。」
相手のためと思って世話をし、面倒を見ているつもりだが、根底には、「あなたは一人前じゃないのよ、私がいなければあなたはやっていけないよ」というメッセージが含まれている。
そうやって辛いことを乗り越える体験を、子供にさせない。
まずは、自分を知ることから。
自分のストロークの傾向を知る為に、本の中にいくつかの、チェックテストがあります。
機会があれば、是非手に取って、チェックしてください。
自分が意外と出来てることや、足らないところを発見できるかもしれません。
あれもこれも伝えたいと欲張って、とても長い長い記事になってしまいました。
その中の、ほんの一部でも、生きやすさのヒントになれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。